初心者にもおススメできる
メロディアスファンタジーSRPG
最初に一言
お待たせしました!
先週は低気圧に揉まれて更新ムリでした、こまきです。
今回は比較的最近にプレイしたばかりのステラグロウです。
出来立てほやほやの紹介文なのでフレッシュ感あるかも←なんだそれ
例によって長いので最低限読んで欲しいところにまた☆マーク付けてます。
では、どうぞ~。
はじめに
本作は3DSで発売したSRPG(シミュレーションアールピージー)である。
発売前に製作元の会社「イメージエポック」が倒産してしまったが、なんとか「セガ」からの販売で発売にこぎつけた大変な経緯がある。
パッと見は魔女と歌、そして宣伝やイラストのイメージなどで少々中身が心配になる見た目をしているが、ゲーム自体はしっかり作られている印象だ。
なお筆者は本作が人生初のSRPGだったので、SRPGならではの利点や不満点や醍醐味などはよく分かってないという状況だというのを念頭に入れて読んでもらいたい。
以前は体験版を配信していたが、現在配信は終了してしまっている。
ストーリー&世界観
☆世界観説明
本作は歌が失われた世界(一般人には歌えない、鼻歌は可)が舞台であり、その歌を魔法として唯一歌える存在が本作の「魔女」である。
「魔女」は感性豊かな少女が「クオリア」という宝石を体内に吸収して魔女になる。クオリアは全部で5つあり=魔女は世界に最大5人居ることになる。
ストーリー
とある大陸を統べる「レグナント王国」は千年前、神による人類への粛清が起こり、人類は滅びの危機に瀕していた。そこに少年「エルクレスト」が現れ、神のもとに行きその命と引き換えに神の怒りを鎮めた(と伝承では語られている)。
それから現在のレグナント王国は滅びの魔女「ヒルダ」の歌う人々や町を結晶化させてしまう「堕歌」の影響で滅びの危機に瀕していた。
「ミトラ村」に住む記憶喪失の少年「アルト」。ある日ヒルダ率いる福音使徒に村を襲撃されてしまい、自分と幼なじみの少女「リゼット」を除き、村を丸ごと結晶化されてしまう。そしてその騒動の最中にリゼットは水の魔女として覚醒する。
王立騎士団も駆けつけてなんとかヒルダたちを退けるも、休む間もなく王都ランベルトに保護の名目で連れていかれる。
ランベルトでアルトとリゼットは4人の魔女の力を合わせた合唱を歌うことでヒルダの結晶化を解くという「祝歌(いわいうた)計画」の話を聞かされる。
リゼットはミトラ村を救うため魔女として祝歌計画への参加を決意し、アルトはそんなリゼットの助けになるために王立騎士団の第9小隊に入隊する(第9小隊は祝歌計画のために設立した部隊であり、リゼット含めた仲間も所属する)。
そしてアルトは残りの魔女探しの任務の道中で自分の中に英雄エルクレストが所持していた能力であり、魔女たちの心を調整する能力「調律」があることが判明する。
アルトは調律を扱える「指揮者」として徐々に覚醒し魔女たちや仲間をまとめていく。
システムとか
自由時間と作戦時間
今作は章立てでストーリーが進んでいく。章内でも「作戦時間」と「自由時間」のパートに分かれていてそれぞれやれることが少し違う。
それぞれの時間を全て消費することで章は終了し次の章に進む。
章ごとに何回自由時間と作戦時間が有るのかはストーリーを少し進めると手に入る「運命時計」に表示される。
「作戦時間」
作戦時間は運命時計では赤で表示されて、基本的に王都を出てストーリーを進めていくことになる時間だ。
ワールドマップを移動してマップで黄丸で表示されている地点に入るとイベントが起こりストーリーが進む。赤丸のところに入ると戦闘を含んだイベントが起こりこれまたストーリーが進む。
ストーリーを進める以外にも経験値稼ぎや資金稼ぎに「フリーミッション」に行くこともできる。フリーミッションはマップ上の魔物(っぽい)マークが目印だ。
ゲームコインを使うミッションもあり、そちらは難易度が多少高い設定となっている(ゲームコインを要求される必要性をあまり感じなかったが)。
どのフリーミッションも基本的に連続でなければ繰り返し受注できる。
☆「自由時間」
自由時間は基本的には王都内で作戦時間に備えて行動する時間だ。
具体的には仲間と交流したり、資金稼ぎやちょっとしたアイテム収集などができる。
こちらは1回につき3回(2週目以降では9回)の行動権が与えられて、限られた行動権を沢山ある選択肢の中でどう行動していくか、悩む楽しみがある。
ここからは自由時間で出来ることを具体的に紹介する。
「騎士団兵舎」
ます「騎士団兵舎」では選択した仲間とちょっとした交流をして好感度を上げていく。
交流して好感度を上げていくと戦闘で役立つ効果を覚えたり、ユニット隣接時の支援効果を習得したりその効果が大きくなっていったりする。
男女関係なく好感度を上げることができるのも男女プレイヤーともに楽しめる作りとなっている。好感度を最大にしたキャラはED後に後日談が見れる。
攻略面でもキャラクター好きな人にとっても楽しめる選択肢と言える。
「アルバイト」
馴染みのお店で「アルバイト」をして資金を稼ぐことができる。アルバイト自体の受注は「赤熊の酒場」でする。
アルバイトした回数によってアルバイトランクが上がっていき、ランクが上がると報酬が良くなるほかランクが上がるときには特別なアイテムが貰える(こともある)。
一定のランクになるとストーリーの進行具合によっては受注出来なくなることもある。(それ以上アルバイトランクを現段階で上げられなくなる)。
「探検する」
王都周辺や今までストーリー上行ったことのある場所に行って何かしらのアイテムを拾ってくる。
基本的にはランダムで探検する場所が決まるが、稀にキャラクターに関連する装備アイテムが手に入ることがある。固有の会話イベントなどはない。
☆「調律」
調律とは魔女の好感度上げに関わる要素であり、自由時間でも重要な項目だ。
何気に自由時間にしかできない行動なのでタイムコストがかかる。
魔女は歌や魔法など強力な力を行使できる代わりに負の感情を抱えやすく、好感度上げに会話しても心に鎖がかかり好感度が上がらなくなることがある。
そうなると、その魔女の好感度上げが出来なくなる(放っておいても特にストーリー進行上は支障がないのでそこはご安心を)。
こうなった場合「調律ノ館」に行き、魔女の精神世界に入って魔女の心を調律することになる。調律するには精神世界で戦闘することになる。
ストーリーやフリーミッションとは違い、少し特殊な勝利条件のマップが多い。
また敵のレベルはこちらの出撃してないユニット含むユニット全員の平均レベルになる模様だ。
勝利条件を満たして見事魔女の負の感情を払うことに成功すると、改めて好感度が上がり、新たな特性や歌魔法を覚える。
ちなみに自由時間そのものはマイルームで「休憩する」を選ぶことで全てすっとばすことも出来る。
またマイルーム(自室)とアイテム売買関連施設は作戦時間と自由時間どちらの時間でも利用可能だ。
ミッション(戦闘)
戦闘の基本
戦闘はクォータービューと呼ばれる立体感あるマップで行われる。
本作はユニットの位置取りが重要であり正面からだと特に何もないが、敵の側面から攻撃すると命中率が上がり、背後を取ると命中率だけでなく与えるダメージも増加し反撃などを無視して攻撃できる。これは敵→仲間に攻撃されるときも同様である。
画面上部に表示される地形効果や特徴も戦闘時にそれなりに影響してくる。
よって行動終了後にどの方向を向くのが効果的などかを考えながらユニットを操作していく点は程よく頭を使う作りになっている。
戦闘中は行動順番「アクティブライン」が表示されていてどのような行動をしていくかで行動順が変化していく。
行動確定前には戦闘予測画面が表示され、命中率やどのくらいダメージを与えるのかなどの結果を予測できる。
☆歌
本作は物語中でも歌が重要な役目を担っているので、戦闘中も勿論戦局を動かすキーポイントになる。
各魔女には「歌」のコマンドがあり、普通のスキルとは違い歌晶石ゲージを溜めていくことで魔女1人で使える歌魔法が使えて、それぞれ強力な効果を誇る。
ここで歌晶石ゲージについて解説しておく。
まず歌晶石とはレグナント王家に伝わる宝剣のようなものである。
それ単体で身分を証明できるほどの価値がある。
後にアルトに反応し、アルトが所持することになる。
戦闘中歌晶石はゲージで表示され敵に攻撃する、敵を倒す、味方が戦闘不能になるの3つの行動を重ねていくことでゲージが溜まっていく。
☆「合奏」
そして歌晶石を扱えるアルトと魔女が協力することで発動できる歌が「合奏」であり、本作の見どころの1つだ。
「合奏」は魔女単体で発動する歌魔法よりもゲージを大きく消費するが、その分効果が絶大であり、ほぼ確実に戦局を有利に変えるだろう。
そしてもう1つ歌魔法と違うのは、短い言語にならない言語を歌う歌魔法と違って、合奏はそれぞれの声優がしっかり歌いあげてくれることだ。
魔女の声優陣はどの人も歌を歌える、歌に秀でている声優なので歌のクォリティも確かである。
なので合奏で流れる歌はどれも絶品なうえに、歌詞がそれぞれの魔女とリンクしていて、場合によっては感涙ものである。
ちなみに作中では合奏はアンサンブルと呼ばれている。
☆BGMと歌
歌を売りにしている分今作は歌に注目されがちだが、ストーリーや戦闘をしっかりと支えているBGMも逸品揃いだ。
イベントBGMはシリアスなものからコミカルなものまでストーリーを盛り上げてくれる。
バトルBGMはフリーミッションになぜ流れないのか疑問が出るレベルでどれもずっと聞いていたくなる。
そしてその中の一部のBGMはストーリーの節目を担い、プレイヤーの心情を最高潮に盛り上げてくれる。
サントラが色々な事情で発売していないのが悔やまれるばかりだ。
もちろん歌も合計10曲以上のボーカル曲をゲーム中でフルコーラスで聞ける。
ゲーム中でフルコーラスで聞けるのは少し珍しいかもしれないのでプッシュできるポイントだ(サントラが発売してないからなおのこと)。
合奏は特にそれぞれの魔女との初回合奏時はストーリー的な盛り上がりとも非常にマッチしている。
ゲームの解説はここまでにして、ここからは語りたいことを語っていく。
☆良い点(プッシュしたい点)
・今作はまずシステムが洗練されている印象を受けた。
まずアイテムの売買の際、装備品を買うと今身に着けていた装備を売るかどうかの選択肢が出る。要は装備品の買い替えがラクチンなのだ。
他ショップ周りでは店に入ったとき換金アイテムを全て売るかどうかも聞いてくれる。1つでも換金アイテムを所持していたら反応してくれる。一々売るコマンドを選ぶ手間が省けるのだ。(アイテムコレクター勢には鬱陶しく感じるかもしれないが)
・SPRGでは当然のことかもしれないが、出撃前に敵のステータスなどの情報が見れたり、ユニットの行動範囲が見れたり、装備をいじれたりするのは非常にありがたかった。
・セーブ手段がマイルームでのファイルにセーブと戦闘中に中断セーブする、の2つの手段がある。
よってデータロードもファイルからロードするLODE GAMEと中断データを再開するCONTINUEの2つのコマンドがあるので人によっては混乱しやすい。
しかし、便利なことにゲームを起動すると前回最後にセーブした方に対応するコマンドにカーソルを当ててくれる。この一瞬だが快適にゲームを開始できるのが大変ありがたい。
また、この2種のセーブ方法のおかげで実質詰まないともみれる。
ストーリーマップ攻略中にレベルが足りないと思ったらファイルからロードしてフリーミッションで経験値を稼いだり、フリーミッションもリタイアしてもらったも経験値だけは持ち帰れるところと合わせて詰み要素を徹底的に排除しているともとれる。
・難易度変更などは無いが極端に難しいマップなどは特に無かった。
適切な難易度設定、そしてシリーズものではないという点を利点にしてSRPG初心者にもおススメしたい(体現者:筆者)。
シリーズものだった場合どこからは入ればいいのか、(手に取ればいいのか)悩んだり、分からないということになることがこれもまた多い。
それとは別にそもそもシリーズに手を出すと全部制覇したくなるという完璧主義の人からするとシリーズものに手を出すこと自体ハードルが高いことなのである。サントラや資料集も網羅したいとなるとなおさらだ。
それに引き換えステラグロウは現状単品で済むので、ゲーム単体としてもSRPG入門としても手が出しやすいゲームとなりうるのである。
・調律
調律は入りのムービーと音楽の合わせ方がしっかりしていたのでワクワクドキドキ感がすさまじかった。
また調律が必要になるときの魔女の心理描写が比較的丁寧であったことも好感触だった。
個人的には少女のトラウマや心の傷を癒しながら信頼を勝ち取っていくさまはライトノベル「デート・ア・ライブ」を彷彿とさせた。だからそれが好きな人は今作を特に楽しめる予感がする。
一応断っておくと筆者は両者がただ似てると言いたいのではなく、ライトノベルや例に挙げたデート・ア・ライブに馴染みのある人は同じように好きになってくれるかもしれないと思ったので書いた次第だ。
・昨今のゲームにはほぼ当たり前のように搭載されているナビゲート機能も抜かりない。
ファイルからロードした際とマイルームであらすじからのストーリー確認と先述したワールドマップでの黄丸と赤丸でどこに行けばストーリーが進むのかと2段構えで示してくれる。
・戦闘中デフォルメされたキャラがムービーで動くのもどれも動きがあってよかった。
戦闘中、下画面はステータス表示などの分からない情報があればタッチして教えてくれるし、上画面はユニットがどこまで動けてどこまで攻撃が届くかなども表示されるので2画面も生かせていると見える。
・ストーリー及びキャラクターの個性
ぱっと見や宣伝の仕方のせいで色々と勘違いされそうな本作だがストーリー自体は至って正統派の王道ファンタジーである。
特にストーリー後半の様々な要素が重なって逆転していく爽快感は、他のストーリー重視のゲームや映像作品と比べても稀有な強さだ。
調律や魔女要素がラノベ的だとしたらストーリーは少年漫画の王道の熱い所を全力で突っ走っている熱さがある。
仲間となるキャラクターも敵も皆個性的でかつ何かしらの魅力がどこかしらある。しかもシナリオ上もそれらのキャラクターたちが空気なることはまずなかった。その辺のバランスはキチンと調整されているように見えた。
また男女問わず好感度を上げてそれぞれのEDまで見られるのもキャラクターを丁寧に扱えてるいい証拠だ。
ユニットとしてもそれぞれの性能も似たキャラは居てもある程度差別化されているのと、好感度を上げることで弱点をある程度カバーできるようになっている。中でも敵の攻撃を庇うアーチボルトの移動力上昇はその顕著な例だろう。
繰り返しになるが、キャラゲーとしてもゲームとして楽しみたい人も両方にとって楽しめるように作られている。
イベントもそれぞれのキャラの考え、心情、背景に寄り添っていて本作への思い入れが深くなること間違いなしだ。アルバイト先のキャラともアルバイトで実質交流出来て愛着が湧くのもポイントが高い。
ストーリーの盛り上げの点で言うと、アルトの部屋(マイルーム)がストーリー進行で賑やかになるのも仲間との温かみを感じられてよかった。
不満点 気になる点 出来れば改良して欲しい点
プレイする分には概ね支障はないものの、若干気になる点は存在する。
それを大きく分けるなら出来れば改良して欲しい点と、欲を出せばこうしてほしかった、という要望レベルの話にも分けられる
・まず、一番気になるのは戦闘中のテンポが遅いこと。
味方ターンはともかく、敵のターンが続いてかつムービーが入っていると長くてだるくならざるを得ない(ムービーは切ればいいのだが)。
これに関連して、今作は行動しないでターンを過ごす待機というコマンドがあるのだが、これをボスが連続ですると待機した方が早くターンが回ってくる性質のため、さらに戦闘のテンポが遅くなってしまうという問題もある。
筆者は最初はこのテンポがSRPGにおけるデフォルトだと思っていたが、どうやら他のSRPGでは敵ターンをスキップすることも可能らしい。実際にプレイしてみないと想像できないが。
行動終了後にユニットの方向を決めるのも本作の醍醐味でもあるのだが、面倒くさい部分と言われても否定は出来ない。
合奏も敵に効果を与える系は個別に処理されてるから、まとめて処理したらテンポが多少は良くなったかもしれない。それはそれで処理落ちするかもという問題もあるかもだが。
・アクティブラインの表示が基本的には待機を連続でした状態で表示されるので、スキルを使うなどの行動をした際の変化は実際に動いてみるまでは分からないという問題もある。アクティブライン自体せめてもう少し先も見られたらよかった。
・個人的にとても気になった点はチュートリアルが流れるのにそれを見直す機会がないということだ。
一応2週目以降に該当する戦闘(イベント)になればまた見られるのだが、筆者としてはいつでも困ったときや忘れた時に見直せる方がありがたく感じるたちなのだ。
せめて一度見たチュートリアルはマイルームからいつでも見直せるようにしてほしかった。
システム的にそこまで複雑な要素が無いのが救いではある。
・自由時間についてなのだがこの要素自体に不満はない。
先述もしたがむしろ本作の醍醐味でもある。しかし、勿体ないと思う気がする部分もあるのだ。
1週目では限られているがゆえに選択する重要性が高くなって面白いし、本作の醍醐味でもあるのだが、それゆえに1週遊んだだけでは選ばなかった選択肢の魅力に気づかないのがなんとも勿体ないと感じてしまうのだ。
2週目からは自由時間での行動範囲が3回から9回に増えるので全要素コンプリートとはいかないが、全キャラの好感度MAXまで上げるには全く支障が無い。
そしてキャラゲーとしても実用性第1にしてもキャラクターの好感度は上げたくなるものだが、探検する、アルバイトはそもそもやる意義が薄めというのもある。
探検するで手に入るアイテムでキャラクターにまつわるアイテムが手に入ることもある。それらは店売りするアイテムにはない効果があったり、強力な効果を持っているものもあるが、それは一部で無理にコンプリートする必要もない。
そしてアルバイトは繰り返し受注すると一部貴重なアイテムが報酬だったり、お店の優待割引のようなサービスも受けられるようになる。だが共通報酬のお金は1週目でもレベル上げでフリーミッションをある程度こなしていれば貯まる分があれば、そこまで不自由しない。
なので1週目では余程のことが無い限り探検するとアルバイトのこの2つの選択肢は埋もれてしまうのである。
アルバイトはいい点にも書いたが、それぞれの店長キャラクターとのちょっとした会話もあって各キャラクターの背景も好感度上げと同じく分かる(要はアルバイトは店キャラの好感度上げでもある)のでファンとしては2週目もプレイして是非ともイベントを見て欲しいところだ。
しかしゲームの2週目というのは基本的にもの好き、もといコアなゲーマーはやりこみのためにやったりするが、ライトなゲーム好きには一周してゲームクリアに満足してそのままもうプレイしないということが多い。中々なコアゲーマーとしてもその辺をプレイするしないは自由なので おススメはできるが実際に2週目以降もプレイしている人はユーザーの中でも一握りなのだろう。
出来れば2週目もプレイしてほしいけれどそれは難しい。そしてシステム的には間違っていないというジレンマを感じた。
・細かい所ではファイルにセーブするときに誤セーブしそうになることだ。
データが2つあるのにロードしたデータではなく、前回セーブしたデータにカーソルが当てられてしまっているせいで誤セーブの恐れがあるのは地味ながら怖い所だ。
・沢山のイベント絵を見直したり、それこそ本作の醍醐味の歌を聞き直したりしたくなるのだが、そういうことができる鑑賞モードやイベントシアターのようなモードが無い。
せめて2週目から解禁とかでもいいのでそういうモードが実装してほしかった。
イベント絵にしろBGMにしろどれも出来栄えがいいのでなおさらだ。
他にもボイス聞けたり立ち絵や3Dモデリングも見直せるとさらによかった。
特にBGMや合奏のボーカル曲は現状ではサントラが発売されておらず発売すること自体が絶望的なので今からでも遅くないからアップデートで実装して欲しいレベルだ。
ただ開発元のイメージエポックが倒産したのでCD出す方がまだ可能性はあるが。
・2週目の引継ぎがお金のみという点。
先述したようにお金は2週目以降でも、それこそアルバイトもあるのでどうとでもなるのに引き継げて逆に他の物は一切引き継げない。この点が気になる。
一般的なSRPGでは他に何が引き継げるのか私は知らない。
そして好感度は引き継いでしまうと該当イベントが見直せなくなってしまうのも分かる。
だがアイテムやオーヴ辺りは引き継げても良かったのではないのか。
それらを引き継げるゆえの楽しみもあると思うのである。
ただ引き継ぎに関して今作は育成要素がそこまで濃くないからこそ、引き継ぎ無しでもやりくりしやすいというのはあるのかもしれない。3週目以降の周回の意味は薄れているかもしれないが。
ちなみに本作はLV99までLV上げできるのだが出現する敵のレベルは基本的にLV50前後で打ち止めなので折角のレベル上限がもったいなく見える。
しかもレベルの引継ぎも出来ないのである。周回する意味と育成する意味が両立してないともとれる。
・大したことではないのだが、宣伝や説明書には地形にスキルや攻撃を当てると変化があるのをゲームの売りの1つにしているように見える。
だが実はこの要素、使うことがほぼ無いうえにこれに関するチュートリアルすらない。
一応地形効果自体はある。ただそこに攻撃を当てて反応する技や魔法はごくごくわずかである。
一応1マップのみ使った方が明らかに楽なマップがあるが、事前にそういう情報を持ってない人はほぼ気づかずにゴリ押ししてしまうのではないだろうか。
これ以外にも本作は倒産間際の開発だったからなのだろうか、宣伝に雑な節がある。
・また不満点という程の物ではないがフリーミッションの際、BGMとして汎用の物が流れる仕様になっている。
ストーリー上ではマップに合わせたBGMになっていてどれも良曲でマップにも合うので、フリーミッションの際も流してほしかったのである(ランダムでもよかったので)。
・雪原マップがストーリー上のみでしか使われなかったのが少し寂しかったというか、もったいない。フリーミッションでもまた行けるようにしてほしかった。
・オーヴのカスタマイズの幅が狭い。
オーヴとは武器に着けることで効果を発揮する宝石のことである。工房で買ったり素材を集めることで精製することもできる。
オーヴの種類自体はそれなりにあるのだが、効果を発揮するタイミングが通常攻撃時の物が圧倒的に多く、通常攻撃を全然使わないキャラクター(魔法が主体になるリゼットなど)は必然的にカスタマイズの幅が狭くなってしまう。通常攻撃を使わないキャラクター用オーヴをもう少し用意してほしかったように思う。
宣伝について
本作はぱっと見、女性キャラクターや声優を推したりして宣伝上の見栄えは良く見える。
しかしそれゆえに女性推しに抵抗感のある人たちには敬遠されそうな節があるうえに宣伝していた情報と少々噛み合わなかったり、プレイした側から見ればこの情報出してなかったのおかしくないか、という点が多々あり、さらにゲームを作ってた会社が倒産してしまったとなるとその辺の統制や出すべき情報が少なかった、あやふやだったともとれる。ある意味今作の最大の難点、失敗だったのかもしれない。
例えばアルトや仲間になった魔女たちが所属する第9小隊のメンバーに開設当初から所属しているラスティとアーチボルトというキャラクターは手持ちの雑誌やPVではまったく紹介されておらず、公式HPでやっと姿を確認出来た。2人とも初期から居る主要キャラクターのはずなのにここまで宣伝での扱いが薄いのはどういうことなのか、2人とも男だから軽んじられたのだろうか。特にラスティは本編で因縁のある敵が居る関係で結構重要キャラだ。できればもう少しプッシュしてほしかったところだ。
これに限らず雑誌等の紹介ページでは魔女の紹介が主で(ゲームの性質上間違いではないのだが)よくてアルトと他の女性キャラクターの紹介に留まっていたように思う。
全キャラ紹介しろとは言わないがもう少し工夫してほしかったようにも思う。
魔女の紹介自体も性格とか境遇がさらっとは書かれてはいるけれど、それらを読んだだけでは他にもこういうキャラクター居るよなぁという印象だったのだが、実際にプレイしてそのキャラクターと接してみると、雑誌や公式HPで見た説明が嘘ではないけどあの紹介だと印象が薄いという結論になった。
しかし、魔女たちはそれぞれ深く語るとほぼネタバレに抵触してしまうという難点もあったのでどっちもどっちで仕方ないという結論にこちらはなった。
今作は堅実な作りのゲームなのにもったいない。見た目で損しているとはまた違うが、その見た目の使い方がちょっと違うように感じた。
本作のCEROについて
本作のCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構、一応解説するとゲームがどの年齢の対象か判定するとこ)はC:15歳以上だが判定はドラッグ表現のみだ。
確かにこの要素はゲーム中で出てくる上にシーンのインパクトも強い。
ただ、明らかに露出度が高い服装のキャラクターが出ていたりするうえに作中には恋愛描写もあるのにその要素にはノータッチなのはどういうことなのだろうか。
何も筆者はエロいからCEROの判定がおかしいと言いたいのでは決してない。
説明は難しいが全編に渡って登場キャラクターの露出度云々よりなぜ一場面にしか使われていないドラッグ表現だけで購入自体に支障は無いので大したことではないが年齢制限付けられなければいけないのか。
とにかくCEROの判定基準やマニュアルがよく分からない、この結論に尽きることを言いたいのである。
☆おわりに
それぞれ繰り返しになるが、まずSRPGが初めての筆者でもすんなりとシステムや世界観を理解できたのでSRPG初心者にもおススメできる。
宣伝がよくないと言ったが、売りにしていた歌の部分はストーリーに違和感なく組み込まれ、合奏で流れる曲は確実に今作の見どころの1つだ。
ストーリーの盛り上がりも近年稀にみる名作ぶりで個人的にはゼノブレイドとも並ぶ王道の良きシナリオだった。キャラクターもそれぞれ丁寧に扱われていてどのキャラクターにも愛着が湧いた。
音楽面に関しては歌もBGMも良いできなのでサントラを発売していないのが惜しい限りだ。今からでも遅くないので面倒な権利関係を乗り越えて出してほしいものだ。
たまに見た目が派手で逆に敬遠されるゲームというのがあるが今作が正にそれで堅実な作りなのに実にもったいない。
もう一押しの部分はあるがそれでも良きゲームであることに変わりはない。
今なら廉価版も出ていて値段的にも手を出しやすくなっているので何かしらの部分に興味が出た人には手に取って欲しいゲームだ。
発売年月日:2015年6月4日→2017年3月16日(お買い得版)
値段:5990円+税→2990円+税(お買い得版)
制作:イメージエポック
販売:セガ
参考文献
Nintendo Dream 2015年5.6月号
電撃Nintendo 2015年5.6.7.8月号
ステラグロウ公式HP http://stellaglow.sega.jp/(最終閲覧日2019年4月2日)
付記
初起動日:2018年12月13日
プレイ時間:250時間程度(2週目クリア時点)
購入動機:ニンドリや電撃ニンテンドウに特集されているので気になったから。主に歌というキーワードに惹かれた。購入機会を伺っていたら廉価版が発売したのでそれを購入した。
補足と(言い訳)
サントラ発売しろして。(切実)
冒頭にも書きましたが、私にはステラグロウが人生初SRPGでしたのでそれならではの感覚を(少しは)大事に書きました。
やっぱプレイしてすぐの熱が有る内に書くのがいい感じだなぁ。
プレイしてたい気持ちと衝突するから難しいのだけど。
あと宣伝云々のとこ、ラスティさん推しに思われそうだなぁ・・まあそうなんですが。←オイ
でも宣伝で一番目立たなかったラスティさんが戦闘では便利で重宝するユニットだし、因縁あるキャラ居るし、イベント絵の出現率も高いしでどうあがいてもある意味でギャップ喰らう。
あと珍し~くネタバレほぼ踏まずにプレイできたもんだからストーリー的になおさら衝撃が大きかったのよね。
ゼノブレイドにしろナナドラにしろはほぼネタバレ踏んでからプレイしてる分楽しみが減ってたんだなぁと痛感しました。
まあ現代でネタバレ完全回避は不可能に近いですが・・・。(苦笑)
最後に・・・ステラグロウはいいぞ。
ここまで読んで下さった方ありがとうございました。
次ですがホントはステラグロウでの戦闘時のボイス収集したのでそれ載せたいのですが、ちょっと立て込んでるので、ナナドラⅢをポンと載せるかもしれないです。
折角やったのでいつかは載せますけどね。
では、また~。