ゲーム紹介文+α置き場

その名の通りゲーム紹介文とかの文章置き場です

ゲーム紹介文 「イースⅨ-Monstrum NOX-」 怪人の立体アクションで閉塞感をぶっ飛ばせ!

 

最初に一言

 色んな人をイース沼に引きずりこみたい。というわけで(?)

 今Ⅸに始まってPSPシリーズも一通りプレイしたのでイースざんまいしてた。

 イースシリーズに関する基礎的な話はこちらの上の方にあります。↓

komaki-game-recommend.hatenablog.com

 

あといつも通り最低限読んで欲しいとこに★付けてます。

一項目長すぎなんで今後ももうおわりにだけでいいんじゃないかな

 

 

はじめに

 イースⅨとはPS4及びSwitch、そしてSteamで発売された赤毛の冒険家「アドル・クリスティン」が主人公のイースシリーズの9番目のナンバリング作である。

 今作では立体アクションを目玉要素として推している。

 立体アクションとは横方向以外にも上下移動がかなり自由に動けて高低差の激しいマップを探索できる、という解釈でここでは書いていく。

 Switch版ではPS4版で配信された衣装系DLCも最初から入っている。

 ここではSwitch版を基準に解説していく

 

今作のあらすじ

 旅の途中、怪人騒ぎで話題になっている監獄都市「バルドゥーク」を訪れた「アドル」は無実の罪で連行されて投獄されてしまう。

 時期を見計らって脱獄を決意したアドルは脱獄中に「アプリリス」と呼ばれる義手義足の女性から「魔弾」と呼ばれる特殊な弾丸を打ち込まれ異形の怪人<モンストルム>の姿「赤の王」に変身し、特異な力、異能<ギフト>を得る。その力を使い何とかアドルは脱獄に成功する。

 しかし怪人たちは異能を持つ代わりに、課せられた呪いで街からは出ることが出来ず、定期的に邪霊<ラルヴァ>と呼ばれる怪物たちと強制的に戦わされる「グリムワルドの夜」に召集されるという過酷な枷を背負わされる。

 アドルは相棒のドギと合流しつつアプリリスに監獄に怪人にまつわる謎の答えがあると助言され、情報収集しつつ、監獄へ潜入していく。

 

異能アクション

 今作のアクションの要となるのが「異能アクション」

 異能は使っている間「異能ゲージ」を消費し、ゲージ切れになるとゲージが最大まで回復するまで異能を再使用できない。ゲージは異能を使わない間に回復していく。このゲージ管理も異能を使う上で重要だ

 異能は怪人が正式に仲間になると怪人同士で共有されるため、一々目的の異能を使うためにキャラチェンジする必要は無い親切設計だ。

 また異能は戦闘にも生かせるため、使い方も色んな切り口がある。

 

赤の王王者の道<クリムゾンライン>

 画面上に赤黒いポイントが見えるときにボタンを押すと赤黒い軌跡とともに、一瞬でその地点に移動できる。いわゆる瞬間移動の能力だ。

 移動できるポイントは屋根の出っ張りだったり、煙突の頂上だったりするため高所への移動もお手の物だ。

 敵にターゲットしているときに使うとその敵や直線上に居る敵にダメージを与えつつ、一瞬で敵との距離を詰められる。

 

白猫天空散歩<ヘヴンズラン>

 垂直に壁を駆け上がれる。今作の探索の要の異能その1だ。

 壁から出ている出っ張りなどに当たるとその時点で強制終了となる。

 登るとき肉球のエフェクトが表示されるのが可愛らしい。

 

猛禽の翼<ハンターグライド>

 羽を広げて空中で滑空ができるようになる。上空から発動するとかなり飛距離を稼げるようになり、対岸に飛ぶのもお手の物だ。

 ヘヴンズランと組み合わせることで高所探索がお手の物になり今作の立体アクションの9割が成立すると言っても過言ではない。

 

・人形「第三の瞳<ザ・サードアイ>

 通常では見えないものが見えるようになる。

 探索面では隠されたスイッチを発見でき、戦闘面では敵の隠れている弱点などを見破ることができる。その他後述する街に散りばめられている青い花びらを探しやすくなる

 

猛牛戦乙女の救済<ヴァルキリーハンマー>

攻撃ボタンを押しっぱなしにして力をチャージすることで硬い壁を壊せるようになる。

 敵に当てるとガードを崩せる他、通常攻撃の3倍程ダメージとSP入手がアップする

 

背教者影の門<シャドウダイヴ>

 影のように地面に潜りこんで移動できる。

 地面に潜り込んでいる間は天井の低い通路を通れるようになる他、敵を無視して通ることが出来るようになる。そういう意味ではゲーム初心者にありがたい能力か。

 実質無敵機能なためか、加入タイミングが最後なのも納得できる。

 

グリムワルドの夜について

 最初は怪人の呪い影響で行動範囲が制限されていることもありバルドゥーク内でも探索できるエリアが限られている。行動範囲を広げるにはグリムワルドの夜に挑む必要がある。

 グリムワルドの夜に挑むためには「NOXゲージ」を溜める必要がある。

「NOXゲージ」はクエストをクリアするか街中に出るラルヴァの出現ポイントから出るラルヴァを倒すと溜められる。クエストクリアの方がゲージの溜まる量が多いので基本はそちらに着手することになるだろう。

 ラルヴァの出現ポイントには簡単なものと難しいものが存在し、難しいものだと僅かにNOXゲージが多く溜まり、ラルヴァを倒した時に偶に出現する「小さな匣」の出現確率がこちらも僅かに高い。

 小さな匣からはレアなものだとステータスアップ系のアイテムやアクセサリーなどの装備品が貰えることがあり、通常だとレア度の低い素材などが手に入る。

 ゲージが溜まると赤い「瘴気の渦」が発生しグリムワルドの夜に挑めるようになる。クリアすると障壁が解除され、探索できるエリアが広がっていく。クリア時にNOXゲージは100消費される。

 

 さらにNOXゲージを溜めていくと青い瘴気の渦「残夜のグリムワルド」が発生する。こちらはクリアするとストーリー進行とは関係ないエリアの障壁が解除される。そこで発生するクエストなどもある。

 残夜のグリムワルドは放置もできるが、出現した段階でクリアするとEXTRAボーナスが貰える。こちらのグリムワルドもクリア時にNOXゲージが100消費される。

 一度クリアしたグリムワルドの夜は再現戦としてドギに話しかけることでいつでも再挑戦可能だ。

 今回はエリア解放に直結しているためか、ノーダメージなどを意識しなくてもSランクになりやすい。

 章終了段階で残ったNOXゲージは全て「宵闇の欠片」に変換され、「降魔のカンテラ」で素材やステータスを挙げるアイテムと交換できる。

 

防衛戦

 Ⅷに置ける迎撃戦とほぼ同じ要領であり、グリムワルドの夜を終息させる物質「スフェン」にラルヴァが寄ってくるため、そのスフェンを守るための防衛戦となる。

 戦況ゲージが有利なほどスフェンの耐久力が回復していく。

 指定wave数を乗り切り、最終waveで登場するボス「夜の王」を倒すとクリアとなる。

破壊戦

 こちらも扱いはⅧでの制圧戦になっている。

 時間内にフィールド内に設置された「ラクリマ」と呼ばれるオブジェクトを破壊していく。そのための破壊戦となる。

 通常より大きい「大ラクリマ」は壊すとラクリマ10個分扱いになり、ブーストゲージが全快する。砂時計の形をした「ボーナスラクリマ」を破壊すると制限時間が増える。

 ラクリマを壊していくと、ボスとなる「夜の王」が現れる。

 夜の王を倒すか、ラクリマを全部壊すとクリアとなる。夜の王を倒すとラクリマは自動的に全部破壊される。

 時間や夜の王の強さの状況を見てどちらでクリアするか判断するのもカギとなる。

 破壊戦で戦況ゲージが有利だと異能ゲージとSPの回復量が多くなる。

 Ⅷと違い、しっかり早くクリアした際のタイムボーナスが加算されるようになった。

 

降魔設備

 Ⅷに置ける迎撃設備となっている。

 今作は魔の力が絡んでいるため、設備やその名称もその傾向になっている。

 「スフェン」は耐久力を上げることができ、「デコイ」は設置数を増やしたり耐久力を引き上げることができる。Ⅷでの柵とほぼ同じだ。

 「ペンタクル」は乗った敵に状態異常を付加できる。強化していくと付与する状態異常が増える。Ⅷでは設備ごとに付与する状態異常が違ったのが、ペンタクルに集約された。

 「マスケッタ―」はⅧでの投石器で一定時間ごとに自動的にラルヴァに重力弾を発射して攻撃してくれる。強化すると発射感覚が短くなったり攻撃範囲が広がったりやダメージも増える。

 「ルクス・カノン」はⅧでのスタン銅鑼で叩くと、光弾が発射される砲台で、ラルヴァ全体にスタン値多めのダメージを与える。強化すると発動できる感覚が短くなり、スタンダメージも増える。

 ドギが作っているようだが、今回は魔の力が絡んでいるため製作には流石にテイトたち魔に詳しそうなキャラの力も借りていそうだ。

 

バルドゥークの街解説

 

 バルドゥークは元々は「グリア」と呼ばれる国の街だったのだが、「ロムン帝国」との戦争で最後まで抵抗したが、敗戦したため占領され属州となっている。グリアで元々進行されていた宗教が「ノース教」である。つい数年前まで戦争してたためロムン帝国とグリア側で摩擦があるなど実は複雑な背景を抱えている街である。

 バルドゥークにある監獄は元々要塞として築かれた名残が要所にある。

 バルドゥークの街は様々な区画に分かれている。

 観光案内所があり、バルドゥークの入り口となる正門、農業で特産品を育てている農耕区、事情があり通常の区画には住めなくなった貧民街、「ペンドルトン商会」などお店が立ち並ぶ中央区、バルドゥーク名物の一つの市場や温泉など商売で活気がある商業区、町の治安をロムン帝国と共に管理している「星刻騎士団」が常駐する騎士団管理区、骨董品を取り扱うお店や鍛冶などの職人が集まって修行する職人街、併合前からはグリアの貴族が住みロムンと併合されてからはロムンの貴族も住むようになった貴人街、ノース教などのグリアの文化を見学できる文化保護区など大都市に恥じぬ様々な区画に分かれている。

 要塞都市の名残で脱出用の通路や水路が多い。水源が豊富なためか魚も豊富に取れるようだ。

 街の北西部にはノース教信仰の霊山「霊峰エル・ドラ」がそびえたっている。

 そして街の各所には割と猫や犬が居て、(屋根に居る活動的なタイプも割と居る)。農耕区には農耕を手伝ったり家畜の動物たちも結構居る。

 

 街の各所には装備品や料理、アイテムを取り扱うお店が各所に点在している。

 素材を使うお店以外は後述するおつかいで拠点に居ながら買い物もできる。おつかいに対応してないお店には直接移動もできるため、便利だ。

 街の各所には探して見つける系のやりこみ要素も様々にある。

 

 1つが「落書き」がであり、落書きが町の各所に描かれており、詩的な表現でグリアでの昔からの生活を感じさせるものもあれば、呪われた落書きもありそれは読むとラルヴァが出現する。町の生活や文化を知る側面もある。

 2つ目は街の各所にはこれまた集めると幸せを呼ぶとされる「青い花びら」が散らばっている。集めていくと気になる会話が聞けることも。

 3つ目が街の各地には絶景と呼べる「ロケーション」がある。町の外やダンジョンにあるロケーションにはまとまった素材ポイントが配置されている。

 3つとも発見した数を対応するキャラに報告すると、報酬が貰える。

 街の探索では無いが、シスターに料理の寄付をお願いもされる。

 

拠点「バー ダンデリオン」

 

 アドルたち怪人や訳アリの人物がバルドゥーク内でも行動しやすいように、とある人物たちの支援を受けて廃棄されていた宿酒場を酒場に再生させた、それが今作の拠点「バー ダンデリオン」だ

 ダンデリオンには掲示板にクエストが張り出されており、様々なクエストを引き受けることができる。時には怪人充てのクエストもある。掲示板に載らないクエストも存在する。そのタイプのクエストは発生場所自体はマップに乗るので取りこぼしする不安は持たなくて大丈夫だ。

 今回はクエストの依頼人に話しかけることでクエストを受注するか、断るかも選択できるようになった。

 クエストクリア時に溜まるNOXゲージは重要度の高いもの程多い。

 勿論重要度が高いものがあるからと言って、絶対にクリアする必要は無く、無視することも可能だ。しかしNOXゲージのシステムの都合上、クエストをクリアして溜めた方がラクなので大半の人がクエストに着手しているであろう。

 料理や防具作成、素材交換などはほぼⅧと同じように使える。料理だけ作成にいくらか費用が必要になったが。

 

 とある協力者はおつかいを頼める。おつかいはバルドゥークの街のお店を発見していくとそのお店に一々訪ねなくても一括で買い物ができる。広い街ならではの今作のシステムである。防具も消費アイテムでも何でもござれである。

 ストーリーを進めるとアドルたち怪人の事情を知って協力してくれる人が居る、それが協力者である。主にダンデリオンに集まり、サポートしてくれる。協力者たちはグリムワルドの夜でもサポートスキルの発動と言う形で力を貸してくれる。

 この辺りのシステムもⅧの漂流村の漂流者たちの流用である。

 

戦闘システム諸々

 武器属性を使い分けて、スキルを使う戦闘システムには概ね変更点は無い。

 スキルは使用するためのSPが自動で回復するようになったが、その分か消費が重くなった。スキルレベルアップで消費するSPが軽減される。

 

 今作では過去作でもあったシステム「ブースト」が採用された。

 ブーストは戦闘していくと溜まっていく「ブーストゲージ」が半分以上溜まると発動でき、発動中は攻撃のヒット数、攻撃力や防御力の上昇、移動速度の上昇、HPの回復など様々な恩恵を得られる。ブースト中は強力な必殺技「EXスキル」を発動できる。EXスキル発動するとブーストゲージは空になりブースト終了となる。

 ブーストゲージは戦闘しないでいると減少する。

 高難易度ほどゲージの減りが速く、イージーだとプレイのしようによっては戦闘中はずっとブースト発動しながら戦うことも可能だ。

 

 今作の状態異常は呪いや混乱、衰弱などダークな雰囲気に合わせたものが多い。状態異常にはレベルが設定され、状態異常を付与される攻撃を何度も受けるとレベルが上がり、高いほど重症化する。例:呪いは視野が狭くなるがレベルが高くなるほどさらに視野が狭くなる。

 

前作からの変更点など

 

・Switch版ではユーザー選択画面をスキップ設定にしているとスキップ出来るようになった(前作ではスキップ設定にしていても毎回ユーザー選択する仕様だった)。PS4

 など他機種では元々この辺りのシステムがどうなっているのか知らないので気になるところだ。

 

・冒険日誌が更新されたり、重要な情報が更新されたことを知らせる「アナウンス」が画面右上に表示されるようになった。

 

・メッセージログ機能が実装され、台詞の見直しが可能になった。ボイスがあるものはボイスも再生可能だ。ストーリー、A(アクティブ)ボイス、アナウンスの3つの区分がある。

 Aボイスは章終わりか何らかのタイミングで何故か履歴が削除されるため、ポイントごとに見直すのには向かない。

 

・クエストの更新タイミングをハッキリお知らせしてくれるようになった。

 

・クエストのイベントシーンをスキップしても報酬受け取りを確認できるようになった。

(Ⅷではイベントシーンをスキップすると報酬受け取り画面やクエストクリアした表記もスキップされたため、微妙に不安が残ったのでその不安解消策だろう)

 

・アクセサリー選択画面で効果が重複して装備できないものはリストから外れるようになった。

 

・洞窟系ダンジョンが多いためか、今作では暗闇を照らすアイテム夜光石が無く、暗いダンジョンでも景色が見えやすくなった。

 

・冒険具(今作では降魔具という呼び名)の役割がほぼ異能アクションに集約されたためか、今作でその装備枠はゴールドアップや異能ゲージ回復アップなどの補助的な役割のものが多くなっている。

 

・ブレイクの蓄積や表記が視覚で直感的に分かりやすくなった。

 

・ロケーション発見時、前作ではロケーションの範囲に近づくと自動的に登録されたが、今回はロケーションのポイントに輝く輪があり、そこに近づいてボタンを押すと登録される。

 どちらかと言うと前作の仕様の方がいきなり感あったので、心の準備をさせてくれている。

 

・UIやメニューの動きが滑らかになった。滑らか過ぎる動きに慣れていなくてビビってしまうくらいには。ただし、文字やスタンゲ―ジが少し小さくなり過ぎに見える。

 

・高所からの落下ダメージが廃止された。スムーズになったが、設定面で考えると怪人は高所から落下した程度ではあまりダメージを受けないほど頑丈なのかとも驚く。

 

・親密度に関わる要素が少し簡略化され、スムーズになった。

 Ⅷでは関連する人物のクエストをクリアしないと親密度が上がらない人も割と居り、取り返しがつかない可能性があったため、今回は協力者に関するクエストはあるものの親密度は特定アイテムを渡せば実質好感度イベントまでこぎつけれるようになった。

 

・難易度「INFERNO」が最初から選べるようになり、最高難易度にダメージが2重になる「LUNATIC」が追加された。どちらもⅧのようなアイテム所持数制限などは無くなった。

 

・EXスキルの演出が短くなり、戦闘のテンポが良くなった。

 

・操作せずに放置しているとTIPSが流れるようになった

 

・セーブデータ数がさらに増えた。Switch版の話なので他機種ではセーブデータの増加傾向が少し気になるところだ。

 

・お金の概念が復活した。

 この文面だけ見るとそれゲームでは当たり前の概念なのに何言ってるのという話になるのだが、Ⅷでは無人島という舞台設定の都合上、お金の概念が無いという最近にしては珍しいゲーム内容だった。

 そのためその後でプレイした今作で普通に貨幣経済だったことを思い出して面食らうという謎の現象が起きた。個人差はある。

 

評価点

 

 Ⅷからのいいとこどり+今作ならではの魅力と両方存在する。

異能アクションの楽しさ

 Ⅷでは探索のし甲斐が既に豊富だったが、高低差を使った探索の楽しみは少なく、通常のジャンプで越えられるような段差が越えられない所謂「見えない壁」のようなものがプレイしていて少し気になった。

 など全体的に平面的な探索要素しかないのはある種の難点ではあった(正直重箱の隅をつつくような難点だが)。高低差のある探索要素があるとしても2段ジャンプが解禁される中盤以降が多かった。

 

 それを怪人という設定で2段ジャンプが最初から使用できること、且つ怪人の異能でそれら従来の難点を序盤から取っ払うことに成功している。

 特に怪人が仲間になるとパーティ間で異能を共有できることと、探索の要の異能を持つ怪人が早めに加入することも探索がしやすく、自由にしやすいのも大きいだろう。

 バルドゥーク市内やその周辺に広がるダンジョンもそれら異能を活かした探索し甲斐が大変あるマップ構成になっている。

 青い花びらや落書きと言った要素も探し甲斐がある。

 そしてそうした空中をアクションが苦手な人のために足場を追加できるなどのアクション方面でのアシストも選べる。

 Ⅷから引き続き地図作成のシステムも引き継がれているため、探索のモチベーションもある。最終盤になっても見つかってない小部屋があることが発覚したときは「まだあるのか、探索全てしたつもりだったのに!」といい意味で悔しい想いをした。

 

 そして高低差のある探索にとてもありがたかった機能が宝箱などの捜索物を現在地より高い位置か低い位置にあるかを示してくれる。

 この機能はヒントにもなるし、低い位置なのか高い位置なのかどっちに配置されているのかと混乱しがちな他の高低差激しいマップ作りをしているゲームでも是非取り入れてほしい。

 

 今作の舞台が監獄都市と紹介されたり、街に閉じ込められているため閉塞的なイメージを持ちそうなワードが散りばめられているが、ストーリーが進むと街の周辺にも出られるようになることと、そもそも狭いと感じたことは全く無かったのでその閉塞的なイメージを持っている人が居てそこを心配しているのなら、安心してプレイしてほしい。

 

ミステリアスで謎に迫るストーリー

 怪人という特有の要素があるので、勿論怪人にも本当の姿があるのでその怪人たちの正体やそのギャップ、行動原理や目的が紐解かれていくのを追っていくのも今作のストーリー面での楽しさの1つだ。

 そしてストーリーの骨格である、怪人たちとグリムワルドの夜の関係などの秘められた謎がじわじわと、そしてプレイヤー視点であり得ないことが起こっているその理由とがとあるシーンで一気に開示されたときの驚きが強かった。

 プロローグ最後で流れる一説の意味も同時に分かって感動と納得も押し寄せる。

 今作のテーマの1つは呪縛からの解放というのもポイントだ。

 道中アプリリスは真実を知っているのに自分で真実見つけて確かめろと言うのは少し焦らされてしまうのは気になるかもしれない。

 

 ちなみに今作は過去作をプレイしていると分かるファンサービス成分は比較的多めでどれか1作をプレイしてからだとなお楽しめる。

 もちろん今作がイースシリーズ初めてでもストーリーの理解にはなんら問題は無い。

 

 間接的には今作からファルコムではモーションキャプチャーを導入したからか、イベント時のキャラの動きがかっこよくなり、違和感が減ったように感じた。

 アドルの表情も幾分か細かくなった体感だった。

 

今作特有のダークでゴシックな雰囲気

 開放的で青い空や広い草原などなど広々としたイメージが強いイースシリーズの中では異色の雰囲気とのこと。

 ダークでゴシックな世界観や雰囲気が好きな人にはたまらなく、心をくすぐってくれる。

 そのダークゴシックな雰囲気は異能のネーミングセンスや怪人たちのデザインなどにも反映されている。

 また怪人たちはマントやベルトなどの揺れものなど今作の立体アクションに映えるデザインも目指しているのも噛み合ってて見事としか言いようがない。プレイしたら是非ともヘブンズランやハンターグライド後に衣装がはためく姿に注目してほしい、心がとてもときめくだろう。

 またラルヴァの夢魔や悪魔をイメージした極彩色のデザインも雰囲気ばっちりだ。

 ダークと言っても重苦しい、疲れるタイプのダークでは無いのでそこも安心してほしい。

 

前作からのいいとこ引継ぎや難点の改善、システム的に向上してるところ

 前作での反省点をしっかり受け止めて改善し、さらに便利になっていくシステムたちを見ているとプレイヤーとしても嬉しくなるし、信頼が増す。

 具体的には先述した部分の他に広いバルドゥークの街はロードを挟まず移動できる他、ロードが入ってもかなり速い。クエストのイベントをスキップしても報酬受け取りを確認できる、地図のワープ時にダンジョンはリスト化され、Ⅷでは水晶石重なって選択しにくい点が改善される、グリムワルドの夜のテンポの良さなどなど。

 グリムワルドの夜はテンポが良すぎて終了時の台詞が喋り終わる前にリザルト画面に移行するという謎の問題点はあるが(メッセージログ機能ですぐに確認できるのが救いだ)。

 

 勿論シリーズで引き続いて便利な部分はしっかり受け継がれている。今作では刻印盤、地図作成でのマッピングや収集率の表示、モンスター図鑑や素材入手先の表示、ヘルプやチュートリアルの見直しなどなど

 痒いところに手が届く仕様は誠にありがたい

 

良質なファルコムサウンド

 BGMは引き続き安心と信頼のファルコムクオリティで何度でも聴きたくなるBGMたちが勢ぞろいしている。

 今作での特徴を挙げるならば設定や世界観に合わせてダークな雰囲気やミステリアスな雰囲気のBGMが多い傾向にある。

 また、それぞれの怪人たちの加入直後のダンジョンはその怪人のテーマ曲のようになっているのもポイントだ。

 筆者が気になった曲を挙げていく。まず「CLOACA MAXIMA」は「HEART BEAT SHAKER」のプロローグの静けさからのこの曲の冒険の幕開けを表す盛り上がりでプレイヤーのテンションを挙げてくれる。探索している場所が暗渠というじめじめしている場所のはずなのにBGMとその場所の名前がカッコいいという意外性がまた堪らない。

 こんなにかっこいい暗渠が未だかつてあっただろうか、いや無い。

 「CROSSINGA/A」は詳しく言うとネタバレになるのだが、ストーリー的にもA/Aがクロスしてある種一番燃えたところだったかつ、火山に近いステージ無いようなのでテンション爆上げにもなる。

 「STRATEGIC ZONE」はⅧでもラストダンジョンで予想を大幅に超えてテンションを挙げてくれたのが、今作では荘厳な雰囲気とコーラスでかつ躍動感があるのでそれらのマッチ度合いが最の高である。コーラスと言うと「DANCE WITH TRAPS」もダンジョン的には大変なのだが、静かに盛り上げてくれていた。

 

シリーズで継承され、洗練されていく戦闘の楽しさ

 スキルを使った戦闘が楽しいのはしっかり継承されているうえに、ブーストや異能アクションなどの新たな要素も加わって楽しさは健在だ。

 そして街中でもできる戦闘やグリムワルドの夜の戦闘などもしっかり楽しめる。

 パーティメンバーもそれぞれ個性があって使いやすく、今作は属性変更メダルが早めに解禁されることもあって自由な編成で楽しみやすい。

 

町の喧噪がプレイ中の没入感を上げてくれる

 Ⅷでは無人島と言う人が殆ど居なかったためか今回街の中を歩いているという実感や雰囲気への力の入れ方が強い。

 具体的にはダッシュして探索していても聞こえる街人の会話や怪人姿を見られた時の反応、そして街人にぶつかった時のボイスなどなど。お店では放置したときの台詞も増えた。

 

 喧噪の手法にはゼノブレイドシリーズではクロスからNPCの近くを通ると会話内容が表示されるというものが取り入れられている。しかし、イースで同じことをしようとすると、ダッシュで移動するのがほぼ常なので会話を読み終わる前に通り越してしまうという難点が出てくる。

 その点ボイスで街の喧噪を表現しているのは移動テンポの速いイースシリーズとも親和性が高く、表現手法にもゲームごとに相性があるのだなと考えさせられた。

 

細かい点

 その他では前作では気になったキャラの露出度が通常衣装では少な目、DLC衣装では露出度が高いものが用意されてしっかり差別化された。プレイヤーの任意で選べるようになった。今作の雰囲気に合わせて偶然だったのかもしれないが。

 

気になる点

 PS4版のⅧからPS4版のⅨまで発売スパンが比較的短く、開発期間不足だったのか、盛り込み詰め切れてない部分がいくつかあると感じた。

 

ストーリー中の伏線や設定が一部最後まで判明しない

 怪人周りの設定、異能と連動している街から出られない呪いの連動部分の説明や、黒幕が突如失踪した原因や、その期間に黒幕と接触してないはずなのにアプリリスがなぜ怪人化に必要な魔弾を所持していたのかなどなど一部設定の部分で説明不足な点が見受けられた。スフェンも出所や由来は不明なままだった。

 ストーリーそのものはしっかり1作で完結しているいつものイースなのでそこは安心してほしい。

中盤から目立つヘヴンズラン出来ない壁

 中盤に街の周辺に出られるようになった後に目立つ問題だった。

 折角の今作の特徴を殺していることと、そろそろマップ探索にも工夫がいる頃合いにヘブンズランで全部登られたら困るからか、ヘブンズラン出来ないように無理矢理デコボコにした感が否めないのが分かってしまう2つの点から残念に思う。

 

 ゲーム初心者だと今まで頼ってきた能力を急に制限されて混乱する可能性もあるのではないか。

 逆にゲーム慣れしている人は探索を進めたり、目的地に到達するには大きく回り込むタイプのマップだと制作側の意図が分かればそんなに迷わない。

 でも意図的に制限されてるのは分かるので、悔しい。

 

 少し違うが目的地に辿り着くという点では、少し初心者には分かりにくそうなマップ構成だったので、ホントにアクション初心者に向けて大丈夫だろうかと老婆心を持ってしまう。

 

アクセサリー装備の並び替えか絞り込みがそろそろ欲しいほど多い

 Ⅷでもあった問題点なのだがあちらには書きそびれていたのでこちらに書く。

 アクセサリーの数が多くページスクロールを何度もしないと目当てのものが探せない、どこにあったっけ?となるくらい数が増えたので、そろそろ絞り込みが並び替えの機能など検索しやすい環境を整えてほしい。不便だ。

 

前作で出来たことがいくつか無くなっている

 主に気になるのはギャラリーモードの未実装と採集ポイントがマップに表示されないこと、素材交換で下位の素材に交換できないこと、など辺りが特に気になった。

 一番戸惑ったのが引継ぎデータを作る仕様が、ラスボス直前に戻してそのままやりこむという選択が出来なくなったため、やりこみ不十分のまま2週目に泣く泣く入らざるを得なかったことだった。

 しかし、セーブデータ数は相変わらず多いのでそれらをしっかり活かせばよかったといううっかりミスな話でもあった。

 

 また難点というほどでは無いがイースシリーズでは恒例のOPアニメーション無かったのが少し寂しいところだった。

 

 またさらに細かいが、今回採集ポイントや破壊可能オブジェクトを見つけた時のセリフが1種類しかないのでⅧでは採集ポイントの内容で少し台詞パターンが用意されていたため、結果的に減ってプレイ中聞き飽きるのも少し気になった。

 

★おわりに

 良くも悪くもⅧのシステムを流用していて、多少製作期間の短さから来る問題もあり、詰めが甘い所も見受けられるが、Ⅷからの改善点や新しい遊びを提供してくれて探索アクションの楽しさが更に上がった。色々挑戦して、進む姿勢を見れるのはとても好感を持てる。

 個人的に今作がとても気に入ったので、ファルコムという会社が提供するものには一定のクオリティがあると信頼できるようになった。

 Ⅷほどのやりこみ要素は無いがイース入門としても勿論申し分ない。

 ダークな雰囲気の作品が好きな人は存分に浸れるだろう。

 今作から入っても勿論問題ないが、ファンサービスの要素などを踏まえると可能ならシリーズ作1つでも触れてからプレイすると感動が強くなる。

 Ⅷとは対照的でそれぞれにしか無いものもあるのがポイントだ。

 ちなみにSwitch版とSteam版では体験版が配信されているので気になる人はそちらを試してみるものいいだろう。

 SwitchがPS4を持っていたらひとまず手に取って欲しいゲームの1つだ。

 

制作&販売:PS4版:日本ファルコム Switch版:日本一ソフトウェア 

Steam版:NIS America, Inc.

発売日:PS4版2019年9月26日 Switch版2021年9月9日 Steam版2021年7月7日

値段:PS4版 パッケージ通常版:7800円+税 DL:7741円(税込み) Switch版パッケージDL共に6980円+税 Steam版通常版7678円

 

付記

 

初起動日:2022年1月11日

プレイ時間:1週目クリアが約40時間~60時間程度。現在3週目データやボイス収集など含めて170時間以上

購入動機:イースⅧが好感触だったのでシリーズの中で近いⅨも楽しんでプレイできると予測できたため。Switchしか持ってないのでSwitch版で。

シリーズプレイ歴:Ⅷのプレイ後にプレイしたため2作目

これを機にファルコムサウンドに本格的に興味を持ち、プレイ予定が遠いセルセタのサントラを購入したり、PSPシリーズの曲を一通り調べて興味を持ったりした。

 

参考文献

・Nintendo DREAM 2021年10月号 アンビット

イースⅨ -MonstrumNOX- 公式コンプリートガイド+ビジュアルコレクション 2019年12月21日 KADOKAWA

PS4版公式サイト イースIX -Monstrum NOX- | 公式サイト - Falcom 最終閲覧日:2022年9月19日22:06

・Switch版公式サイト イースIX -Monstrum NOX-|日本一ソフトウェア (nippon1.jp) 最終閲覧日:2022年9月19日22:06

日本ファルコム近藤社長:『軌跡』チームを2つに分けて新作に取り組んでいる、『イース セルセタの樹海』を皮切りに過去作をPS4とかで遊べるようにしたい、『イースIX』は一部モーションキャプチャーを採用…など | ゲーム情報!ゲームのはなし (gamestalk.net) 最終閲覧日:2022年9月20日 23:24

・ゲーム内のアドルの冒険日誌

 

あとがき

 赤の王のデザインカッコ良すぎないか?!!デザイン考えた人天才か!!!ご飯10杯は行ける。今年前半かなり狂ってた記憶ある。

 A/Aが尊過ぎなんだよな。統合のシーン初見時不覚にも泣いてしもた。

 あと今回限定版の値段とかカットしました。力尽きた。文章も一文長いの多いの自覚あるけどそこも詰めるの今回は諦めた。思いついたらこっそり修正するかも。

 

 ボイス収集もそのうち再開したい。

 あと本文にも書いたけど、衣装がヒラってするのめっちゃかっこいいんですよ!赤の王だけじゃなくて怪人全員いい感じにヒラッとか鷹さんも結構揺れるんですよ!人形ちゃんだと髪とか揺れるんですよ!ロマンですよ!!!

 イースⅨプレイした人全員に注目してほしいポイントなんですよ!!!!(テンション高杉

 

 あとこれも本文にも書いたけど宝箱とかの配置物の高低差表示全ゲームに導入していいレベルで感動した親切システムだった。ゼノブレ2とかゼノブレ3とかこれ入れてほしいんすけど!!!後生だから!

 

 というわけでイースⅧと同じく全力でおススメしたいゲームに仲間入りを果たしました。

 セルセタ、Ⅴ、Ⅵはプレイ手段無いのでひとまずSwitchにセルセタの移植オネシャス!Ⅹも正座待機してます!Ⅹは何年後かなって感じですが!

 どうしても来なさそうならSteamがPS4購入考えますけど、するとしても当分先です。