最初に
今年でシリーズ35周年ですって。
あと書かずに死ぬようなことがあれば悔いが残ると呼吸が苦しい時期に思ったの4作の第1弾ってことで。第2弾はⅨで3,4弾は新すばせかとルンファク4SPだよ。
去年プレイした中で断トツに面白かったのでそういう意味でも書きたかったし。
そして今年初めにⅨプレイしてファルコムさんを本格的に応援するってレベルで好きになった。
任天堂ファンほど合いそうなのに手が出しにくいこのおススメしにくい環境は何とかならんですかね。
あといつも通り最低限読んで欲しいとこに★付けてます。と言っても長すぎるから終わりにだけなんだけどそれが長いんだよな!
はじめに
今作はイースシリーズナンバリング作8作目のアクションRPGである。
PS4版は「PlayStation Awards2017 ユーザーズチョイス賞」を受賞しており、シリーズの中でも評価がかなり高い。
無人島が舞台で、無人島ならではの要素やシステム、探索がしっかり楽しめる。
イースシリーズとは
ここでイースシリーズを取り上げるのは初めてなので、イースシリーズについて軽く解説していく。
イースシリーズとは「日本ファルコム」(以下ファルコム)が1987年から発売しているアクションRPGだ。
当時難易度が高くなる傾向にあったPCゲームで誰でもクリアできるという優しさをコンセプトに作られた(優しいと言ってもヌルいというわけでは決してない)。
以降ARPGの代表作として根強い人気を誇っており、スタッフは多少入れ替わりつつあるが、それでもシリーズの大事な部分は受け継がれて一定のクオリティを保っている。BGMも高テンションでノリノリなものが多く人気が高い。
初代「イース」のキャッチコピーは「今、RPGは優しさの時代へ。」
今年、2022年でシリーズ35周年を迎える。現時点でシリーズナンバリング作はⅨが最新作になっている。
シリーズの共通項として稀代の冒険家「アドル・クリスティン」が主人公でアドルが残した冒険日誌をゲーム化してプレイヤーがその冒険譚を追体験しているという設定だ。
「イースⅠ、Ⅱ」だけが地続きのストーリーになっている以外は、1作でシナリオは完結しておりシリーズのどこからでも始めていい作りになっているのも優しさの1つだろうか。
過去作で冒険した地名や人物、要素がファンサービス程度に出てくることもある。
Switch版発売の経緯
長らく任天堂機種での展開が無かったイースシリーズ(というよりファルコムがだが)がⅧとⅨは「日本一ソフトウェア」、スピンオフの「イース・オリジン」は「DotUmu」より移植され発売しているので久しぶりに任天堂機種でファルコム作品の展開が可能になった。
特にイースⅧは日本一ソフトウェアから移植の打診を受けてSwitch版での展開が可能になったので、その功績は大きい。
各機種の違い
Ⅷは元々2016年にPSVitaで発売された。それに追加要素を入れたPS4版が翌年2017年に発売した。Switch版はPS4版を基盤に衣装系DLCをほぼ網羅した内容になっている。
PS4版は現在は廉価版となる「スーパープライス版」が発売している。
以下PS4版で追加された要素
・ダーナ編でダンジョンが追加され、エタニアの歴史が深堀される。それに伴ってダーナの攻撃属性を変化させる「スタイルチェンジ」も追加された。
・アドル編でクリア後に条件満たしていると裏ダンが解放される。
・魚釣りに超大型の「ヌシ」が4種追加された
・迎撃戦とは対照的に獣たちの住処に攻め込む「制圧戦」が追加された。
・一部のマップで「夜間探索」が出来るようになり、高レアリティのアイテムが入手しやすくなった。
・料理時間を即リセットできる「爽やかスムージー」が追加された。
・裏ダンクリア特典で攻撃属性変更アイテムを入手できるようになり、そのアイテムを所持しているとPTメンバーを2人や1人に変更できるようになった。
・ゲーム中のイベントシーンや回想シーンで流れたイラストなどが見直せる「ギャラリーモード」が追加された。クリア後はギャラリーモードで見れるイラストが増える。
・キーコンフィグ機能が追加され、自由にボタン割り当てが可能になった。
・釣り上げるアイテムに「虹色の宝石」「大粒の真珠」が追加され、それらを交易所でレアなアイテムと交換できるようになった。
・追加要素に合わせたBGMがいくつか追加された。
なお一部の追加要素はPSVita版でもアップデートで適応可能だ。
今作のあらすじ
大陸を横断するため豪華客船「ロンバルディア号」に臨時の水夫と力仕事役として乗船したアドルと相棒のドギだが、その船が正体不明の生物に襲われて沈没してしまう。
漂着した先は誰も帰ってきた者が居ないとため永遠に呪われた島とも言われている「セイレン島」だった。
アドルは同じくロンバルディア号に乗船してセイレン島に流れ着いた漂流者たちを探しつつ、島から脱出する方法を探していく。
やがてアドルはセイレン島で過ごすうちに度々青い髪の少女「ダーナ」の不思議な夢を見るようになる。
アドルとダーナの運命が交錯したとき、絶海の孤島セイレン島に隠された秘密が明らかになる。
システム解説
漂流村
アドルたちはセイレン島からの脱出までの拠点として、入り組んだ入り江を「漂流村」にして探索していく。漂流者を救出していくと漂流村に新たな施設が建てられ、そこで探索に役立つアイテムを制作してくれる。
裁縫が得意な人を救出すると開く「仕立て屋」は防具やアクセサリーを制作してくれ、手先が器用な人を救出すると開く「工芸屋」では防具類の作成以外に防具類を分解して素材に還元してくれる。
他にも回復アイテムなどを作成してくれる「診療所」、武器の強化や錬成(一段階強い武器に進化させられる)をしてくれる「工房」、野菜を時間経過で育てられる「畑」など主にこれらが主要な施設になっている。
ちなみに漂流者たちを全員救出しなくてもクリア可能である。罪悪感は残るが。
交易交換所
今作ではお金が無い分、素材それぞれの重要度が上がっている。
そのため、手持ちに無いアイテムが無かったらドロップするまでマップ探索する方法も勿論可能だが、それよりも、余った素材を交換して活用できる、それが交易所だ。
なお無人島という設定なので今作ではお金の概念が無く、その象徴が物々交換やアイテム分解と言えるだろう
好感度
パーティメンバー(以下PTメンバー)や漂流村の面々には好感度が設定されており、各人が依頼するクエストをクリアするか、各人が好むアイテムや、所縁のあるアイテムをプレゼントすると好感度が上がる。
プレゼントアイテムはセイレン島各地に流れ着いているか、交易所で交換できる。
PTメンバーの場合はプレゼントした相手とアドルのステータスが上昇し、漂流村の面々は好感度が上がると後述するサポートスキルのレベルが上がり、効果が上がる。
好感度が最大になり、ストーリーを条件まで進めるとその人物の好感度イベントが見られる。
好感度周りのイベントは各人のキャラの背景や個性、はたまた意外な特技などを垣間見れるため、愛着も湧きやすい。
漂流村の海岸にはストーリーが進むごとに漂着物が流れ着き、様々なアイテムが流れ着く。
実はARPGで拠点があり、仲間をドンドン加入させて、拠点を大きくしていく、そして探索や戦闘しやすくなり探索範囲が広がるというシステムは所々「EverOasis」を想起させる(似通ってるからダメという話では無く、親しみを覚えるという意味だと誤解無きよう書いておく)。
セイレン島には所々に土砂などで道が塞がれている場所があり、その点は「支援要請ポイント」として漂流村に必要な人数が居るならそのポイントの障害を漂流村全員で排除していく。この要素も漂流者たちを積極的に救出していきたくなる。
冒険具
ストーリーが進むと「冒険具」が手に入り探索の幅が広がっていく。
例えば最初に手に入る「クリップグローブ」はツタに捕まって移動できるようになる。
他にも装備するとダッシュが速くなる&体当たりで攻撃が出来るようになる「疾風の靴」やドロップアイテムの回収範囲を広げてくれる「風魔の壺」など探索を快適にしてくれるものもある。
最初は冒険具を装備できる数が1つしかないが、どこかで手に入る「探索の心得」というアイテムを入手すると、同時に装備できる数が増える。
ダーナとアドルの意識共有
アドルの夢の中ではダーナを操作していくことになる。
ストーリーが進むとアドルとダーナは特定の水晶石を通じて意識共有ができるようになり、ダーナ編の主な目的であるヒモロギの苗木を植えたあとでもダーナの世界とアドルの世界を自由に行き来できるようになる。
ダーナの世界で起こしたイベントがアドルの世界に影響を与えて、新たな探索エリア開放にも繋がっていく。
夜間探索
夜間探索が目的のクエストが発生した後、対応する野営地から夜間探索が可能になる。
夜間探索できると言っても対応しているダンジョンは3つのみでマップ構成自体も同じものだが、敵の配置の密度が濃くなっており、昼とは釣れる魚も少々変わっているほか、採集ポイントの配置は採集できる素材、配置されいる宝箱は昼の内容とは異なっている。
そして何より特典として高レアリティの素材がドロップしやすくなっている。
敵に囲まれやすい分、まとめて倒して高レア素材が回収できるのでやりがいがある。
バトルアクション解説
基本とスキル
今作はPTアクションとなっており、最大3人までアタックメンバーとして前衛に出して戦闘する。
操作キャラ以外は自動で動いてくれて、いくら被弾してもHP1で耐えてくれるのはかなり優秀だ。回避優先か攻撃優先かなどの指示出しもできる。他にも細かい設定がオプションで可能だ。
パーティメンバーの属性を偏らせると与えるダメージが上昇し、属性が揃っているとレアドロップ率がアップする
ワンボタンでキャラチェンジもスムーズに切り替えることができる。
バトルアクションは通常攻撃以外にSPを使用する「スキル」がある。
スキルは敵との戦闘中に閃く。スキルを閃く条件は戦っている敵のレベルに応じる。SPは通常攻撃やフィールド上のSP回復用のブレイクオブジェを壊すことで溜まっていく。
基本的にストーリー後半で習得するスキルの方が強力で使用SPも多い傾向にある。
スキルは最大4つまでセットでき一度習得したスキルはいつでも、例えボス戦中でもメニュー画面を開けばすぐに付け替えることが可能だ。
中にはクエストをクリアしたり、スキル習得できる本を使えば習得できるものもある。
スキルはスキルごとに威力、スタン値、ブレイク値など性能が違い、それぞれに個性がある。
SPを使うスキルとは違う「EXスキル」もあり、これはEXゲージが満タンになると使うことができ、威力や範囲も桁違いで今作における必殺技だ。
EXゲージはスキルを命中させたり後述するフラッシュガードでゲージが溜まっていく。
属性とブレイク
キャラごとに使用武器が違うため属性が異なり、スキル以外ではこの属性を活かして戦っていく。
属性は「斬」「射」「打」の3種あり、斬は剣などで柔らかい敵に有効で、射はレイピアなどで飛行する敵に有効で、打はハンマー系の武器で硬い甲羅を持つ敵などに有効となっている。
有効な属性以外で戦うと属性不利になり、与えるダメージが下がる。表示されるダメージ数値の色や敵をターゲットロックすることで有利な属性、不利な属性が分かる。
有効な属性で攻撃し続けると「ブレイク」状態になり、属性ごとに多少の違いはあるが、共通して防御力がダウンし、有効な属性以外でもダメージが通りやすくなり、ドロップ品を落としてくれる。
属性を持たない敵も居る他、ボスは属性を基本的を持たないのでその点もPTメンバーの組み合わせが自由にできる点だ。
スタン
敵はダメージを与えるごとにスタン値が蓄積していき、それがMAXになるとスタン状態になりしばらく気絶してダメージを与えやすくなる絶好のチャンスということになる。
フラッシュムーブとフラッシュガードなど上級者向けテクニック
敵の攻撃を当たるギリギリのタイミングでガードすると「フラッシュガード」になり、敵の攻撃を防ぎSPとEXゲージを回復する。また敵の攻撃をギリギリで回避すると「フラッシュムーブ」となり発動中は無敵となり、敵の動きがスローになり攻撃や回避しやすくなる。
フラッシュムーブもフラッシュガードも正確には攻撃判定のある地点なら発生させられる。
両方とも上級者向けテクニック扱いで、初心者は出せたらラッキーという感じでプレイに支障はないので大丈夫だ。実際慣れていなくても偶然出せることもある。
他にスキルで敵にトドメを刺すとそのスキルの使用SPを半分回復する「スキルフィニッシュ」や空中で敵に追撃すると経験値が多めに貰える「エアリアルコンボ」などのテクニックもある。
状態異常
今作の状態異常は味方も敵も状態異常の蓄積値が設定されており、その蓄積値が満タンになると状態異常が発現するようになっている。
古代種とヒイロカネ
セイレン島には「古代種」と呼ばれる一際強大な力を持った獰猛な生物が生息している。
この古代種は序盤で遭遇してもトドメを刺せず、しばらく漂流村全体の悩みの種になる。後に「ヒイロカネ」と呼ばれる伝説の金属を使用した武器を使うことでトドメをさせるようになる。
古代種は中ボス並みに強く、倒すのはヒイロカネを使用した武器をもってしても一筋縄ではいかないが、倒すと貴重な素材を落とすのでリターンも大きい。
島北部まで探索出来るようになるストーリー中盤まで進むと古代種がフィールド上で闊歩している姿も珍しくなくなる。現実の歴史で言うところの恐竜が闊歩している姿を想像してもらえれば、セイレン島が如何に危険な島か想像しやすいだろう。
勿論アクションが苦手なプレイヤーはフィールド上で古代種絡まれても無理に戦う必要はなく、全力で逃げれば振り切れるのでご安心を。
迎撃戦
獣たちが徒党を組んで村を襲撃してくることがストーリー中に何度かある。
その際海岸側と山側でPTメンバーはアドル班、漂流者たちはドギ班と分かれて獣の軍勢に相対することになる。
迎撃戦は村に繋がる「防衛柵」を壊されるとゲームオーバーで獣たちの襲撃を乗り切ったら勝ちの所謂タワーディフェンスになる。
獣たちの集団の区切りを「wave」と言い、出現する敵が決まっていて、獣たちを倒し切るか時間経過で獣たちが去るのを待つかでwaveが終了する。
基本的に最終waveで獣たちのボスを倒すと迎撃戦クリアとなる。
迎撃戦中は「戦況ゲージ」が表示され、青い部分が多いと戦況が有利ということになり、SPやHPが自動で回復していく。戦況はアドルたちが獣を倒していくと有利になり、漂流村の人数や好感度などで変化していく。
ドギ班のメンバーは人数がアドル班より多いため手が空いた時はアドル班を手伝ってくれる、これは「サポートスキル」となって効果が発揮される。
サポートスキルは漂流者ごとに効果が異なる。例:状態異常回復+回復、敵全体にダメージ、味方の攻撃力or防御力アップなど。
漂流者たちの好感度を上げることによってサポートスキルは効果が上がっていく。
迎撃戦終了時、それまで稼いだスコアによってランクが決まる。高ランクなほど良い報酬が貰える。スコアボーナスの例waveごとにノーダメージで乗り切る、EXスキルを発動する、最終リザルトではデコイやバリケードの残り具合など。
迎撃戦の一部はストーリー進行に必須だが、それ以外の参加は実は任意だったりする。
迎撃戦はストーリー進行のための探索中に該当区画にまで進むとオウムの「リトル・パロ」が知らせに来る。
任意参加の迎撃戦でも発生中にクリアするとおまけにアイテムが貰える。
迎撃戦が終了した場合、ドギに話しかけて「演習」という形で不参加だった迎撃戦にも改めて挑戦できる。
演習は何度でも挑めるため、一度クリアした迎撃戦でも高ランクを狙いたかったのでリベンジということもできる親切設計だ。
迎撃戦で使う施設は漂流村の強化という形でドギに必要な素材を渡すと、新たな施設を設置したり、強化できる。ドギの案外器用な面を垣間見れる。
具体的には「デコイ」は獣たちを引き寄せ、「バリケード」は獣たちを足止めし、「投石器」は一定間隔で獣たちを攻撃し、「スタン銅鑼」は獣たちのスタン値を蓄積させる。
設置する施設が古典的な辺りが無人島という人員も使える資源も限られているという舞台設定の説得力に一役買っている。
システム上、普段の探索時よりSPやEXスキルが出しやすく、さらにまとまった数の敵を倒すことで素材集めにも有効だ。
制圧戦
迎撃戦は守りの戦闘だったが、制圧戦は攻める戦闘だ。
制圧戦は敵が出てくる巣を壊し、一定時間経過か、巣を壊すことで出てくる獣たちのボスを倒すとクリアとなる。
制圧戦ではドギ班が一定間隔で投石器で攻撃してくれる。アドル班はマップの目印を目安にかがり火を設置しながら獣たちを撃破していく。
かがり火を設置すると、周辺の獣や巣に弱体効果を与えてくれるためかがり火を設置すると制圧戦が有利になる。かがり火は獣たちが壊そうとしてくるのでなるべく守るといい。壊されても再設置できる。
特に獣たちが出現する巣は普通に倒そうとするとかなり固いのでかがり火を設置してから巣を壊そうとするのがセオリーだ。
Waveは「Attack」になり、どの制圧戦でもAttack10までに決着をつけないとゲームオーバーとなる。
サポートスキルも迎撃戦と同じように発動する。
ちなみに迎撃戦発生中は流石に村を空けることは出来ないため制圧戦を仕掛けられない、最終盤を除いて。
その他
釣り
食料確保の手段の1つとして今作は釣りができる。
釣りはアイテムの「釣り餌」があれば水辺のエリアで釣りができる。
手順としては釣りたい水辺にウキを投げ入れ、食いついたあとはボダン連打しながら時にはスティックで方向入力してゲージが満タンになれば釣り上げ成功になる。
どうぶつの森シリーズやルーンファクトリーシリーズほど反射神経は無くても食いつき時のボタン入力判定は長めなので釣りシステムの中では親切な方だ。
魚を釣り上げると、おまけにその魚が飲み込んでいるという設定のアイテムも釣った魚の大きさに応じて獲得できる。
魚影が無い場所でも漂着物として意外なものが釣れるので損が無い。そもそも失敗しても釣り餌が減らないのでその時点で損が無い。
釣る場所によってはたまに「暴魚」と呼ばれる敵が釣れることもあり、そのまま戦闘になる。勿論勝ち目がないなら逃げることも重要だ。
序盤でいきなりレベル40台の不死の敵を釣り上げてビビって全力で逃走する姿も今作の醍醐味の1つと言える。
釣り餌は交易所の交換で入手できる他、宝箱に入っていたり、敵のレアドロップとして稀にドロップする。乱雑に使用しなかったらいつの間にか増えている。
建物内など意外な場所でも水が張っている場所があればそこでも釣りできたりする。
稀にとても大きな魚影が出現し、その魚影からは「ヌシ」が釣れる。ヌシを釣り上げるにはスティックを回したり、ボタンを押しっぱなしにするなどいつもとは違う操作が求められる。見事釣り上げると貴重なアイテムを入手できる。
宝箱も稀に釣り上げることがあり「虹色の宝石」や「大粒の真珠」という貴重なアイテムを入手できる。虹色の宝石や大粒の真珠は交易所で貴重なアイテムと交換できる。
漂流村にはいつの間にか住み着いているハシビロコウに釣った魚を上げることができ、上げた種類に応じて貴重なアイテムを貰える。意外な繋がりもあり侮れないハシビロコウである。
漂流村のクエスト
今作のクエストは数が少ないながらも内容が各依頼人の掘り下げにも繋がっているので、内容が濃いタイプだ。
しかし基本的に期限付きで期限までにクエストクリアできないと失敗とみなされてしまう。ただし、短期的なもの以外は案外期限が長いので小まめにチェックしなかったため取りこぼすというものは無い。クリアすると各依頼人の好感度が上がる。
今作のクエストは各人の好感度上げにも直結しているためクリアできなかったら好感度イベントは次週までお預けになってしまう。
ロケーションポイント
無人島という舞台設定からか、島の至る所には「ロケーション」と呼ばれる絶景ポイントが点在している。ロケーションポイントには採集ポイントがまとまって配置されている場所もある。
後々に地図から直接ロケーションポイントに移動することも可能になる。
料理アイテムの作成
レシピ帳を入手することで料理が作成できるようになる。
料理は控えも含めたPTメンバー全員のHPを回復し、さらに料理ごとに追加効果が一定時間発動する。「ゼノブレイド2」で言うところのポーチアイテムのようなものだ。
例:敵から入手できる経験値が増える。ブレイク率が上がる。SPを自動で回復してくれる、等。
また料理の効果が続いている間は他の料理を食べることができない。その問題を解消したのが追加要素の「爽やかスムージー」であり、これでいつでも料理時間をリセットできるようになった。
料理は素材があれば漂流村や各地に点在する焚火で作成できる。
地図作成
今作は歩いたエリアが自動的に地図に記載されていくオートマッピングシステムになっており、未開の地を開拓する楽しみもある。
ゲームを進めるとマップがドンドン埋まっていき、空白を埋めていくのはワクワクする。
マップには移動の目安の水晶石や採集ポイント、宝箱の位置も表示される。
冒険日誌の項目にも各エリアの探索率が表記され、どの程度探索が進んでいるのか、取り逃した宝箱が残りいくつあるかなど詳細に教えてくれる。
探索率が10%に達するごとに報酬も受け取れる。100%になってセイレン島を踏破したときは感無量だ。
ストーリーを進めて漂流者を助けていくとストーリー進行には関係ないサブダンジョンにも探索できるようになる。
難易度選択の幅
難易度は「EASY」「NORMAL」「HARD」「NIGHTMARE」「INFERNO」の合計5段階あり、初心者から熟練者まで楽しめる。
INFERNOは2週目以降からの引継ぎ時にしか選択できず、一度難易度を下げてしまうとその週回ではINFERNOに戻すことは出来ない。
INFERNO以外はプレイ中にいつでも変更可能で戦闘が物足りなかったり、難しく感じた場合はすぐに難易度を変更できる。
それに加えこれまた2週目以降で引継ぎ時に選択できる「インフィニティモード」では敵のレベルが大幅にアップした状態でプレイでき、引継ぎ前提の難易度だが、アイテムドロップ率が3倍で素材を稼ぎやすくなる。
難易度が高いと経験値が少なくなり、難易度が低いと貰える経験値が多い。
タイムアタック
ストーリークリア後、タイトル画面からタイムアタックモードが追加される。
ゲーム内で戦ったことのあるボスたちと個別に戦えるほか、ボスラッシュモードもしっかり搭載されている。何人で挑んだか、難易度毎にタイムが記録され、細かい。
ダーナ編の地下聖堂のボスと戦えるエタニアモードも存在する。
ちなみにアドル編のボスラッシュは今作に登場するボスの数が多いためか低難易度でクリアするだけでもかなり時間がかかる。
ダーナ編ダンジョン「地下聖堂」
ダーナ編では町の地下にある「地下聖堂」というダンジョンに挑むことができる。
地下聖堂ではダーナの属性を変化する「スタイルチェンジ」を駆使して仕掛けを突破していく。
通常の「イクルシアン」だとSPを稼ぎやすく、かがり火を消すことができる。
パワー系の「グラティカ」だと固い敵にダメージを与えやすくなる他、固いブロックを壊したり、強風に逆らって移動できる。
スピード系の「ルミナス」だとSPは稼ぎにくいが、スピードがずば抜けて早く、普段は見えない敵や宝箱が見えるようになる。
スタイルチェンジでスタイルを変えるとスキルによる攻撃も一部変化する。
スタイルはダーナ編を進めると自動的に習得する。
エタニアクエスト
ダーナ編でもちょっとしたクエストがいくつかあり、ダーナの優しく、人に寄りそう姿が垣間見れる。それぞれクリアするとダーナの「徳」が増え、これが一定値になると地下聖堂の閉ざされた扉が開き、新たな階層に挑める。
その他細かい仕様
・冒険日誌ではストーリーの進み具合や、チュートリアルの見直し、釣りの記録や、モンスター図鑑、素材リストやその逆引きまであり、更にはマップの達成率や、やりこみ要素の達成率の確認ができるなど状況至れり尽くせりだ。
・ストーリー中やるべきことが分からなくなってもマップで目指すべき場所や冒険日誌のストーリーの項目で確認できる。
ストーリーに関係ある地点やイベントポイントなどは目的地設定にすることができ、設定するとミニマップに進行方向が表示される(とは言え、実際はその矢印通りに進むには大回りが必要な場面がしばしばあるので、人によってこの機能が活きるか微妙なところである)。
・セーブはイベントやボス戦中でなければいつでもセーブ可能なことに加えてセーブデータ数は61個+エリア移動ごとにオートセーブ機能もあり、抜かりない。急なフリーズしても取り返しがしやすく安心だ。
・リトライ機能は万全でゲームオーバーすると最後に触れた水晶石から始めることになり、さらにセーブ機能からオートセーブを含むセーブデータからロードし直すことも可能だ。
ただボス戦だけリトライしようとすると装備品の構成を見直せないままでしかリトライできないのでそこだけ不便な点だ。
・「ベスティアリポーション」を使うとターゲットロックしたモンスターのドロップアイテムを表示してくれる。
・元々のキー設定でもワンボタンで冒険日誌や消費アイテム欄にショートカットできるため使用頻度の高い項目を往復することも多いのでとても便利。
・一応今作にはED分岐があり、それはアドルの取った行動による「名声値」により左右される。と言っても結末が思いっきり変わるタイプのものではなく、大筋は変わらない。
・ミニマップや地図ではそのエリアにどこから入ってきたのか矢印が表示され、ある程度の歩数はエリア内でどう歩いたか表示される。これにより入ってきたエリアに戻ってしまう迷子現象にもなりにくい。
・取り返しのつかない要素はあまりなく、一部取り逃したレシピなどは交易所の物々交換で入手可能な点も痒い所に手が届く仕様で非常に助かる。クエストで上がる好感度はどうしようもないが。
・携帯モードではタッチ操作非対応なのが少し惜しい。元からなら兎も角PSvitaではタッチ操作操作に対応してたと聞くとなおのこと。
・ボス戦に挑む時はHPが減ってても全快している。
・迎撃戦も制圧戦も実は難易度変更によるスコア計算の増減は無い。勿論難易度が高いとその分高スコアを取るのが少し難しくなる程度だ。
・プレイ中頻繁にボイスが流れ、採集ポイントの発見や宝箱の発見、戦闘中はどの属性が有利か、戦況がどんな感じかなどなどボイスで状況把握できるゲームでもある。
そのボイスとは区分が違う「アクティブボイス」では初探索の該当マップを訪れたときにキャラ同士の掛け合いが発生する。これもキャラも掘り下げに一役買っている。
・キャラチェンジ時、別のキャラの視点になるのではなく、操作キャラの場所にワープしてくるので非常にスムーズだ。
・アイテムが落下するなどして回収不可能になった場合、それらは取得した扱いになる。
・素材アイテムはレアドロップの区分はあるが、極端にドロップ率の低いアイテムなどは存在しない。多少数を要求されることはあるものの、良識の範囲内である。
などなど一部は今までプレイしたゲームでも全然見なかった痒い所に手が届く便利システムが満載で、それぞれプレイ中に気づいたときは大層驚いた。
評価点
・無人島丸ごと探索が楽しめるマップ構成
今作の要の1つ無人島探索が楽しい。
何故かジャンプ1つで越えられそうな見た目の部分が回り込み必要な部分は気にはなるが。
行けるエリアを手あたり次第探索しているだけで色んな発見があり、何かありそうと思った怪しい場所には何らかの宝箱や採集ポイントなどが配置されているので隅々まで探索する喜びがみっちり詰まっている。それが無人島1つ丸ごとあるのだ。ボリュームもしっかりある。
いわゆるオープンワールドにかなり近いセミオープンワールドと呼ばれている。
オートマッピング機能に加えて探索率や宝箱回収率が表示されるのも取り逃しが確認できる点と目安や達成率になりコンプリート意欲を刺激してくれる。
ストーリーが進むごとに手に入る冒険具でさらに探索の幅が広がり既存のマップで行けなかったエリアにも行けるようになり、そこにまた貴重なアイテムやロケーションが配置されているので積極的に探索したくなるのもオツなところだ。
このようにアクション好きでもRPG好きでも探索を隅々までしたくなる人やマップの空白地帯を埋めることが好きな人には堪らないマップ構成となっている。
特にSwitchソフトだと「スーパーマリオオデッセイ」や「ゼノブレイド」シリーズにもこの探索の楽しさは通じる面があるのでそれらの作品のファンには特にお勧めしたい。
・序盤から最後まで目が離せないストーリー
ストーリーはセイレン島に漂流して脱出するために奮闘する以外にも漂流者が集まってきたならではのミステリーあり、後半はアドルの夢に出てくるダーナを中心に島の謎にも迫っていく。
序盤から少しずつ先が気になりワクワクしていき、後半は畳みかけが凄まじく、正にジャンダルムと大峡谷のように山あり谷ありのストーリー構成になっている。
そしてタイトル画面と副題、OPムービーの意味に気づいた時、全て繋がっていたと気づき、感嘆する。
・無人島探索に合う爽やかなBGMたち
ファルコムはBGMにも力を入れており、作曲陣は「Falcom Sound Team jdk」と呼ばれている。テンションの高い曲が多いのが特徴だ。フィールド上の曲もキャラのダッシュ速度の爽快感に合っているものが多い他、ボス曲はギターやドラムがドンドコ鳴り、別方向にテンションを上げに来る。
今作は無人島探索に合う爽やかなBGMたちがゲームを彩っている。
個人的なイチオシは「A FOOT PRINT IN THE WET SAND」と「THE VALLEY OF THE KINGS」と「YOU’LL SEE OUT THE END OF THE TALES」だ。
「A FOOT PRINT IN THE WET SAND」はプレイして最初に心に響いた曲だった。後述の曲とはまた違ったアプローチで砂浜でのワクワク感が強くて今作が早々に気に入った要因の1つだったように思う。
「THE VALLEY OF THE KINGS」は5部終盤に物語の核心に迫っている時の焦燥感や王家の谷のおどろおどろしくも荘厳な雰囲気が見事にマッチしていた。「YOU’LL SEE OUT THE END OF THE TALES」はラスダンでこれまでさらにストーリーの流れで溜めたテンションをブチ上げてきて最高潮になり、プレイヤーとしてクリアする意気込みがさらに高まった。
代表的な曲で言うと「SUNSHINE COASTLINE」は冒険の開幕に漂流して人っ子一人居ない寂しい景色にも関わらず、新たな冒険の始まりに心躍らせている、であろうアドルの好奇心旺盛さと冒険心をこれでもかと代弁してくれている。
ここで紹介した以外にも魅力的な曲は盛りだくさんだ。曲目当てで買っても損しないだろう。
・ロードが剛速球
マップ間のロードが入る頻度が少し多いが速いので、今作のストレス削減に一役買っていると言える。
その速さはロード中にTipsを流す設定だとTipsを読み切る前にロードが終わると言われるくらい速い。
・バトルアクションが爽快で楽しい
まずバトルの主体となるスキルを使うアクションが楽しく、出す方向にかなり融通が利き、SPのある限り連射もできてボタンを押した時のラグもない。慣れるとスキルの合間に通常攻撃のタメを叩き込んで好きなだけ攻撃を叩き込めるようになる。
なぜこの部分を絶賛しているのかと言うと、筆者は今までその手の者でも制約がある(技が連発出来ない、方向の調整が余りできないなど)ものを多くプレイしてきたのでその分今作がとても画期的に見えたのだ
そこにさらに属性ブレイクとスタンのシステムは爽快感を底上げしているように思った。
レベルをかなり上げた状態でかなりレベルが下の敵に挑んでもいきなり瞬殺することが無いのも珍しい。
勿論レベルを上げたら戦闘が楽になるのでボスを倒せなかったらレベルを上げて出直せば問題ない。高難易度ではレベル上げがしにくかったので、後半になるほどレベル差が開くことによる敵の強さに慄いた。つまり今作はレベルを上げ切っても戦闘が楽しいのだ。
キャラごとによる使いやすさの格差はかなり小さく、それぞれに特徴がありスキルも使いやすいものからクセはあるが使いどころ見極めれば強いというものまで調整がしっかりなされているように思った。
戦闘中は先述したようにボイスが状況を教えてくれるため、基本的なシステムの把握や戦いやすさに一役どころか何役も買っているように思う。
また戦闘にあまり関係は無いがダッシュ速度とマップの広さが丁度いい具合で、ダッシュはかなり速く、今までプレイしたゲームの中でもかなり快適に感じる。
フラッシュムーブとガードも練習すれば取れるようになりやすく、意識的に使えるようになると上達を感じる。ガードとムーブは演出と効果音と無敵時間のお陰で発生させたときの爽快感が強く、そこから反撃のラッシュを叩き込めるとさらに無双している気分になる。
そして迎撃戦と制圧戦がまた今作のバトルアクションのいいとこどりをしていて、システム的に噛み合っていることもあり、今作の魅力を伝えるなら体験版でこっちを体験させた方がいいのではとすら思ってしまう。
サポートスキルやSP自動回復の効果も相まって無双してる感じがとても楽しい。
アクションや戦闘が苦手な人でも回復手段もかなり豊富で、余程のことが無い限り回復アイテムが枯渇する心配は無い。
フィールドで立ち止まると自然回復するシステムも相まって、ゲーム初心者やアクション慣れしていない人にも親切だ。
そもそもボス戦でもない限り、マップ移動機能で水晶石に飛べば即時全回復できてしまう時点でかなり便利だ。
総じて今作のバトルアクションはとても楽しく爽快なのだ。
・相乗効果を生んでいるシステム群
探索で新たなエリア解放&採集ポイントで素材集める&漂流者探す、戦闘でレベル上げ、モンスター素材回収し、拠点でアイテム作成、迎撃施設の強化、アイテム贈呈の好感度上げやクエストなどなど探索→戦闘→拠点のサイクルが成立している。
何かしらの行動に全て意味があるように作られている、この三角形にサイクルが成立している作品はプレイヤーのモチベーション維持に長けている良作であることが多く、今作のその1つの形だ。
漂流者たちも迎撃戦や支援イベントという形でただ救出したらいいというだけでなく、その助けて際の効果もしっかり反映されるうえ好感度を上げたらサポートスキルが強化されるというのも理にかなっているうえに、キャラの背景なども垣間見えて思わずコンプリートしたくなってしまう。
パーティメンバーにも漂流者たちサブキャラにも何かしらキャラとしての魅力がある。
今作で特に良いなと思ったのが一部先述したが、ボイスの仕様でパーティメンバーはボイスで喋って戦況やどうしたらいいのか、今の属性じゃ不利だからキャラチェンジ誰にしたらいいのか、ボスが強力な攻撃を使おうとしてるから回避した方がいいよ、採集ポイントが近くにあるかなどなど、プレイヤーを自然に誘導してくれていると思った。
マップに点在している水晶石はリトライポイント兼スキトラポイントになっており触れると全快+状態異常回復+戦闘不能も回復してくれる優れもの。
それが地図メニューからの移動も所謂スキップトラベルで簡単に移動可能で、拠点にはワンボタンで戻れるのも親切だ。水晶石は地中の理力が結晶化したものという設定も、違和感無く落とし込めているのもポイントだ。
好感度やクエスト、などやりこみもやっておくと相乗効果を生むため、プレイヤーのやる気を駆り立てていく。
これらの要素は今作が高水準でまとめられていて傑作として頭一つ抜けているゲームであると断言できる点である。
・細かいところまで手が行き届いていると感じる作り
細かい仕様の欄に先述してしまったが、システムが至れり尽くせりな環境で、プレイ時にストレスを感じにくい仕様でとても快適にプレイ出来た。
冒険日誌の辞典ページでカテゴリ移動など画期的だった。
その他にも今までの開発ノウハウからプレイヤーのことをしっかり考えて作られていると感じた。
気になる点
ゲームそのものの問題点は殆ど無いが、細かいところで気になる点がいくつかある。
・制圧戦のスコア計算がおかしい
この手のスコアを稼ぐ遊びは、早くクリアすることで大幅なスコアボーナスが入って高ランクが取りやすくなるという計算がされることが多い。
しかし今作にはそれが無く、迎撃戦のように最初はSランクが取れなかったから後からレベルを上げて再挑戦してSランクを取ろうとしてもかえってスコアが入手できない。
長引かせて敵を多く倒す方がスコアを多く入手できるくらいだ。
救いなのは追加要素だからかSランクボーナスに鬼神の霊香などのとても重要なアイテムが含まれていないことだ。
・ソフトの入手が困難&お勧めしにくい環境(Switch版)
Switch版に限った話なのだがパッケージ版は生産数が少なかったのか入手が困難で中古ですら見つかりにくく、中古で見つけても5000円以上の値段がかかることがザラである。
そしてDL版はパッケージの値段そのままでセールは滅多に来ない。何でもセールしろとは言わないが少し手が出しにくい値段ではある。そのうえ、DL容量が約14GBと重い部類だ。
これらの何が問題かと言うと、折角Switchに進出したのにSwitchしか持ってないプレイヤーに気軽にお勧めしにくい環境になっているということだ。
PS4を持っている人はそちらで買うのがおススメしやすく値段的にもお得なのだが、それでは何のためのSwitch展開だったのかという話にもなる。
と言っても昨今の流れだとパッケージの生産コストが重く、DL販売が主流になっているという複雑な背景はあるのだが。
そんな事情があり折角Switch版を発売したのに、後から興味を持ったプレイヤーを取り込みにくい環境なのは、今作を好きになって広めたいファンとしても悩ましいところなのである。
・暗い画面が見えにくい(携帯モード)
洞窟系のダンジョンがいくつかあるが、携帯モードだと画面の明るさを最大にして、暗いところも見通せるようになる冒険具「夜光石」を付けても見えにくい。
その最たるものがクリア後に条件を満たすと入れる裏ダンジョンであった。
あくまで携帯モードでの話なのでTVモードでプレイするか、今なら有機ELモデルのSwitchでプレイするとこの問題は薄まるだろう。
・インフィニティモードでの一部理不尽な点
インフィニティモードは一度設定するとまたそのデータでクリアするまで解除できず、引継ぎ前提の難易度なので、うっかり引継ぎせずに始めると阿鼻叫喚どころでは無くなる。
それだけならまだしも初回の迎撃戦とダーナ編と漂流者の護衛を依頼されるクエストはインフィニティモード用に調整されてないため完全に弊害になっている。
初回の迎撃戦はデコイが敵に一撃で倒されてもギリギリデコイの役目を果たしているのはまだしも、最終防衛ラインの防衛策は2回攻撃されただけで壊されてゲームオーバーになるなど、難易度変更しても理不尽な難しさである。
せめて施設強化が出来ればまだ良かったのだが、この段階ではそれが出来ないのもかなり痛い。
ダーナ編もどういうわけか強化やアイテム購入に必要な理力の欠片のみが3倍ドロップ対象外になっており、詰まったので強化しようとしてもかなり険しい道を辿ることになる。
インフィニティモードをプレイしたくても引継ぎ時のレベルの目安がインフィニティモードで開始しないと表示されないのも、事前に分からずに不安になる要素だった。
・夜間探索中はマップを使った移動ができない
まるごと別マップ扱いなのか、開始地点に戻るかそのマップの出口まで自力で行かないと夜間探索が終われない。
マップのど真ん中などで迷子になったり、敵との戦闘中に困ってすぐ離脱したくてもできない。
何のための地図メニューからの移動機能なんだと言わざるを得ない。
制圧戦にしろ、夜間探索にしろ、インフィニティモードにしろ、追加要素関連は一部練り込み不足だと感じた。
※ストーリーの結末に納得がいかない
この部分はネタバレなのに未プレイの方は飛ばして読んで欲しい。
評価点でストーリー良かったと言ってるのに何を言ってるんだという話かもしれないが、ストーリーのラストまでの流れは本当に良かったのだ。
でもその結末はそこまで頑張ってきたプレイヤーに対して報われるものが提示されているかと言うとそうではなかった。
少なくとも私の視点ではラストダンジョンで世界救うぞと意気込んでいたのに、そのラスボスに当たる世界のシステムの元凶が無くなるわけでもなく、ダーナがそのシステムの管理を今後していくというある種最悪の結末になってしまった。
その元凶のシステムにダーナはこれまで散々翻弄され、苦労してきたのである。そんなダーナのことを考えると気が重くなり始生代の大穴の底に沈みそうな気持になる。
他の作品にも言えることだが苦労したキャラ、思い入れのあるキャラほど報われて欲しい、ダーナにもそう思っていた。
しかし仮にこの結末以外の者が用意されていたとしても時を超えてやってきて国も同胞居なくなった彼女に薄々は結末は寂しいものになりそうだなと勘ぐってはいた。
でもこのストーリーの結末だったからこそゲーム冒頭のアドルの日誌の本文や副題の意味に繋がるという表現も見事なので一概に否定も出来ないところである。
プレイしている最中はストーリーにグイグイ引き込まれたため、この結末だけが本当に惜しい。
・ダーナの衣装が露出度の高いものしかない
エタニア人の設定(低い温度に弱い体質)ゆえかダーナ以外も男女平等にお腹が露出している服装が普段から着られているようだが、それはDLC衣装に至るまで徹底されており、プレイ中ずっと露出度高い状態のままなのが少し気になった。
そもそもダーナのデフォルトの服装も素で露出度が高いのも気になる要因だった。
女性キャラの服装の露出度が高いのは今に始まったことでは無いし、たまに見る分には問題ないのだが、常に露出度が高いとなんとなく疲れてくる人も居るのである。
1つくらいは露出度が控えめの衣装がDLCでもいいので用意されて欲しかった。
また個人的には余り気にしなかったが、人によっては気になるだろう点として
・キャラのモーションの使い回しや違和感が少々目立つ。
・ターゲットロックが便利だが敵の数が多いと思うように働かないこともしばしばある。
・遠くの敵がカクカクしてる。(動作に支障はない)
・イベントシーンが頻繁に入るので少しゲームテンポが削がれやすい。
・他の3Dゲームとはカメラ操作が少し不便に感じる点があった。
など細かいが気になる部分があった(気にしすぎなくていい点ではある)。
繰り返しになるが今作の難点は重箱の隅をつつくような難点が多いので今作そのものに問題が数多くあるわけではない。
★おわりに
任天堂ファン視点だと今作ほど隠れた大傑作も中々無い。
何故ならPS主体のユーザーには分らないかもしれないがイースシリーズは任天堂機種で発売しているものがとても少なく、そもそもの前提としてシリーズに触れる機会が無く、こんなに面白い作品があってもプレイのしようが無かったのだ。
そしてスーパーマリオオデッセイやゼルダの伝説シリーズが好きな任天堂ファンにこそお勧めしたいハズなのに、肝心のライトユーザーが多い任天堂ファンにはお勧めがしにくい環境になってしまい、余りにも勿体ない。
気になる人はPS4を持っていればそちらで購入して構わないのだが、Switchしか対応ハードを所持していない人はパッケージ、DLにこだわらず、DL容量が許せば是非ともプレイしてほしいものだ。
かく言う私もいっせいトライアルに来なければ未だに気にしていなかったことが目に浮かんでもし今作に出会って無かったら・・・ととても歯痒い想いをしている(今となっては気にしなくていいことなのだが)。
そのためいっせいトライアルに今作を選出してくれたスタッフには感謝の言葉をこれでもかと伝えたい。
そして将来発売するイースシリーズもしっかり任天堂機種で発売してほしい。そして可能なら過去作のリメイクや移植も更に来てほしいものだ。
そもそも探索、ストーリー、BGM、キャラ、アクションとゲームを構成するうえで重要な要素が高水準でまとまっているゲーム自体珍しいのだ。
PS4を所持している人は体験版が配信されているのでそちらを試してみるのも手だろう。
シリーズもので手が出しにくいかもしれないが、先述したように1作で完結してることに加え、1つの作品として、そしてこの作品からイースシリーズを知ったものとして今作を強くお勧めしたい。
アクションゲームが好きな人、ゲーム初心者から熟練者、ゲーム内の探索が好きで任天堂のゲームとは違う爽快なアクションを求めてる人には是非ともお勧めしたい。
今作を始めとしたイースシリーズは任天堂ファンにもっと手を取ってもらい、注目してもらうべき作品だ。
発売日:PSVita 2016年7月21日
PS4 2017年5月25日
Nintendo Switch 2018年6月28日
Steam 2018年4月16日
値段:PSVita 7344円
PS4 7344円→4800円+税
Nintendo Switch 6980円+税
Steam 6090円
限定版類は除く。
Switch版は日本一ソフトウェア
Steam版はNIS America,Inc
Switch日本一ソフトウェア
Steam版NIS America,Inc
参考文献
・日本ファルコム 近藤社長×日本一ソフトウェア 新川社長 両社長が語る、Nintendo Switch版「イースVIII」への道 | 日本一ソフトウェア (nippon1.jp) 最終閲覧日:2022年5月24日 16時50分
・【PS Vita】「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」公式サイト (falcom.co.jp) 最終閲覧日:2022年5月24日16時50分
・【PS4】「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」公式サイト (falcom.co.jp) 最終閲覧日:2022年5月24日16時50分
・Nintendo Switch™版 イースVIII -Lacrimosa of DANA- | 日本一ソフトウェア (nippon1.jp) 最終閲覧日:2022年5月24日16時50分
・ゲーム内のアドルの冒険日誌
付記
プレイ時間:ノーマルで1週目クリア&要素回収まで75時間程度。現在3週目で235時間程度
初プレイ日:2021年5月17日
購入動機:いっせいトライアルでプレイして気に入ったから。
シリーズプレイ歴:今作がはじめて。これを機にシリーズ作品が気になるようになった。
あとがき
インフィニティモードの難点最初は入れてなかったんだけど、これ書いてる時にプレイしてて初回迎撃戦ホントに酷かったのでやっぱ入れることにしました。インフィニティモードインフェルノ無理ゲ―。それをソロで攻略した猛者が居るとかいないとか。
おわりにも書いたけど任天堂ファンこそ手に取って欲しい作品がようやく任天堂機種に来たんだから、是非ともプレイしてほしい。
ちなみにさっき覗いたらヨドcomでSwitch版パッケージ在庫まだあったので気になる人は!急げ!(ダイマ)
その内来るイースⅩも絶対来てほしいし、ひとまずセルセタからお願いします。
今後も徐々にSwitch版展開していく予定みたいなので。
いや、どうしても来ないならPS4このために買おうと思ってますが、いつになるかはともかく。
あと書いててシステムの便利さ一部ゼノブレも見習ってってとこ多い、ツタ移動とか。
てな感じで今年はカービィ30周年で既にわー!!ってなってますが、イースにもわわーっ!ってなりそうな年です。
まずは明日来る那由多プレイして、その後PSPのイースシリーズ買っちゃったのでゼノブレ3までにプレイしていくんじゃい!そしてサントラを買う(確定事項)